トランス脂肪酸とは?マーガリンとショートニング避けたい食品

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トランス脂肪酸とは、植物性の油脂を加工する過程で発生する、最も危険視されている脂肪酸です。

 

トランス脂肪酸を多量に含むモノとして代表的なのは、

サラダ油・マーガリン・ショートニング・ファットスプレッド・マヨネーズです。
またそれらを使用した食品(クッキーやスナック菓子など)にも多く含まれます。

 

アメリカでは、FDA(食品医薬品局)がトランス脂肪酸を含む油脂の食品使用について、2018年以降原則禁止と発表したのは記憶に新しいと思います。

 

世界的にみても、このトランス脂肪酸は健康への悪影響が指摘されており、各国で規制の対象となっていますが、日本では世間の批判を受け、マクドナルドなど一部の企業の間ではトランス脂肪酸低減の動きがありますが、まだ規制の対象にはなっていません。

 

トランス脂肪酸とはなんなのか?

どんな悪影響があるのか?
そしてなぜ使われるのか?

 

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トランス脂肪酸は、牛などの体内でも作られますが、量的に大した問題ではありません。

問題なのは人の手が加わった時に多量に発生することです。

トランス脂肪酸が発生する条件として

  • 植物性の油に水素添加し化学反応を起こした時
  • 原料に高温高圧を加え食用油を抽出する時

 

油に水素添加でマーガリン・ショートニングができる

マーガリンやショートニングは元々、バターやラードの代用品として開発されました。

 

常温で液体の植物油に水素添加を行うと、脂肪の分子構造に変化が起こり油が固まります

 

その変化した構造はプラスチックと非常に似ておりプラスチックを食べることと大差はなく食べるプラスチックなどと呼ばれたりもしています。

 

トランス脂肪酸はその過程で大量に発生します。

 

マーガリン

マーガリンは植物性だからバターより健康的

なんて思っている人は今となっては少数派だと思います。

 

マーガリンは、バターの代用品としてパンに塗ったり、クッキー・アイスクリーム・チョコレートなどあらゆる食品の材料として現在も多く使われています。

 

マーガリンに含まれるトランス脂肪酸は約1%~16%と、企業によってまた商品によってかなりの差があります。

 

食パン1枚あたりに塗るマーガリンの量はおおよそ10gとすると、トランス脂肪酸の含有率が高いマーガリンの場合、規制の厳しい国では基準値オーバーとなってしまいます。

 

ショートニング

ショートニングはマーガリンから水分と添加物を取り除いたものでより純度が高くなり、トランス脂肪酸の含有量ではマーガリンよりも高くなります。

 

パンやお菓子作りを趣味にしていない限り、一般的にショートニングを常備している人は少ないと思いますが、

主に市販のパンやクッキー、揚げ物の油などに使われ「サクッ」「パリッ」とした食感はこのショートニングが一役買っています。

 

コンビニやファーストフードの店内で使われる揚げ油の多くはショートニングが使われている可能性が非常に高いので注意が必要です。

 

なぜバターを使わない?

原料となる植物油は生乳とくらべて圧倒的に安価です。
そしてなにより日持ちするからです。

マーガリンは蟻やゴキブリも食べ物と認識せず寄りつきません。

微生物も食べに来ないから腐りにくいのでしょう。

 

そんな利点があるので、昔から危険だと言われているトランス脂肪酸を含む油の使用を企業は止めないのではないでしょうか。

安価な植物性油脂に注意

 

市販の植物性油脂には、菜種油(キャノーラ油)、コーン油、べにばな油、大豆油などがあります。

それらを原料から搾り取るのですが、抽出方法により原料を高温に加熱する場合があります。

高温にすると原料から油の抽出できる量が増え無駄がない一方で、トランス脂肪酸が大量に発生します。

  • 150℃超 分子構造に変化が起きる
  • 160℃超 トランス脂肪へと徐々に変化していく
  • 200℃超 トランス脂肪が急増していく

同じ原料でたくさんの油が取れれば安く市場に流せます。

当然、一般消費者は安いほうに手が伸びます。

しかし、より安価な植物性油脂ほど高温にしているのでトランス脂肪酸の含有率が高くなるのでご注意ください。

 

溶剤抽出法

原料から根こそぎ油を抽出する方法です。
この方法で原料に含まれる油の99%を抽出できるのでムダがありません。

 

その抽出方法は
ヘキサン」という溶剤を原料に混ぜ合わせ高温に加熱して油を抽出します。

抽出した油をさらに高温で加熱し、溶剤のみを蒸発(気化)させます。

さらにリン酸を添加し加熱することで不純物(原料の栄養素やビタミン・ミネラル・食物繊維など)を取り除き長期保存を可能にします。

さらにさらに長時間250℃前後を保つことで、原料のもつ臭いを取り除きます。

保存用の添加物を加えれば出来上がりです。

 

このように何度も高温にそして長時間さらすことで、脂肪酸が「トランス脂肪酸」に大量に変化します。

そして油の酸化・劣化を招きます。

 

高温圧搾法

原料を約170℃に加熱して圧搾する方法です。
原料に含まれる油の6割~7割を搾りとることができる方法です。

 

低温圧搾法(コールドプレス法)

原料に熱を加えず圧力のみで油を搾り取る方法です。

 

摩擦熱を抑えるため、長時間かけてゆっくりと搾り取るため、高温にならずトランス脂肪酸が発生しません。また原料に含まれる栄養成分なども壊れません。

 

ただし採油に手間ヒマがかかる上、原料の2~3割しか搾り取れませんので、お値段もその分高くなります。

 

それでもやはり健康を考えるなら低温圧搾がオススメです。

 

体への影響・危険性

ニューヨーク市ではトランス脂肪酸の完全禁止。ヨーロッパでは特に規制が厳しく、オランダではトランス脂肪酸が含まれる製品の販売禁止。デンマークが食品への含有率を2%に制限し、違反したら罰則の対象となっています。

 

食品表示の義務化を行っている国がほとんどで、韓国・中国・台湾などでも義務化されています。中国では乳幼児への食品に対して使用禁止としています。

 

これだけ危険性が叫ばれている中でも日本だけが未だ取り残されている状態です。

 

あらゆる病気の原因

トランス脂肪酸は、細胞膜の形成を阻害することで、免疫異常をきたしやく、また活性酸素が大量に発生することがわかっており、摂り続けることにより体へ蓄積され、そのダメージも大きくなります。

 

その影響により

  • がん
  • コレステロール異常
  • 動脈硬化
  • 心疾患
  • アトピー性皮膚炎
  • アレルギー
  • ADHD
  • リウマチ性関節炎
  • カンジタ症
  • うつ

などあらゆる病気の原因となることがわかっています。

 

原料にも注意、遺伝子組み換えの可能性も

日本は「とうもろこし・大豆」はアメリカから、「菜種」はカナダからの輸入に頼っています。※国内産はほんの数パーセントです。

 

マーガリン・ショートニング・植物油脂はこれらを原料にしていますから、価格的に安く作らなければ利益がでない。

という事を考慮すれば、これらの原料は輸入原料かと思われます。

 

アメリカにおけるとうもろこし・大豆は、作付け面積の9割は遺伝子組み換え

カナダにおける菜種も同様に9割は遺伝子組み換えであることから

それらを原料として使われている可能性が高く、

安価な植物油脂、それを加工したマーガリン・ショートニング・マヨネーズなどは、遺伝子組み換え食品である可能性が高く、トランス脂肪酸とのダブルで体に悪影響を及ぼす心配があります。

 

ということで確認してみました。

日清オイリオのホームページを見ると

日清キャノーラ油の原料は菜種
日清サラダ油の原料は大豆と菜種

菜種の主な産地は、カナダ、オーストラリア。
大豆の主な産地は、アメリカ、ブラジル。

とのことです。

 

雪印のホームページより

マーガリンの原料は「ネオソフト」など商品により主に「大豆油」「コーン油」「菜種油」「パーム油」等を使用。

産地に記載がなかったので問合せてみたところ

 

トランス脂肪酸を避けるには

トランス脂肪酸を避けるには、商品のラベルを見るのがいいです。

当然原材料は国産を選ぶのが大前提です。

そうすれば同時に遺伝子組み換え品も避けられます。

 

加工食品の場合

マーガリン、ショートニング、ファットスプレッド、植物性油脂、植物油
植物油脂、加工油脂、パーム油

が使われていないか注意すること

 

油の場合

原料に国産を選び、製法として

「低温圧搾搾り」「圧搾搾り」「コールドプレス」

などの表記があるものを選ぶ。

 

まとめ

油は体にとってとても大切です。

であるからこそ多少高くても良い油、良質なバターを選びたいです。

そもそもパンにマーガリンを塗る必要があるかも考えてほしいです。

そしてマーガリンやショートニング入りのお菓子は子供に食べさせないでください。

安価な食用油脂もなるべく避け、少し高くても油・調味料にはこだわりましょう。

ちなみに私の家では「平出の菜種油」、値段は張りますが「ほうろくの菜種油」を使っています。※別に回し者ではないです

こだわりのモノをみんなが買うと、作り手さんを応援することになります。

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6件のコメント

初めまして、安倍総理の歯切れの悪い、トランス脂肪酸のコメントには、なんだかな?と思った人は多いのでしょうね。
先進諸国でトランス脂肪酸を規制もしくは禁止していないのは、この日本だけです。この背景には国内で生産消費されている油脂の原材料はほぼ100%輸入で、しかもほぼ100%有機溶剤で製造されているという、絶望的な現実があります。玉絞りなどで圧搾している油屋さんもありますが統計に表れないほどの生産量です。
会津の満田屋さんは菜種油を手作業玉締めで生産されていますが、なん百トンと作られているわけではありません。知っている人だけが購入している状況です。
トランス脂肪酸全廃と宣言しても代替えのコールドプレスの油脂がない。
乗り越えなくてはならないことは山積みですね。

マクドナルドはとんでもない悪の巣窟、手先ですよ!
詳しくは、マクドナルド、人肉バーガー、で検索してみてください。ご存知かもしれませんが、ユダヤ人、タルムード、シオン議定書、ボヘミアン・グローブ、等を知ると事実と思わざるをえません。

現在NYんで生活していますが、生き残る為の情報を
送ってください、アリガトウございます。

千葉県の動物と環境を守る会といいます。
うちで大量に飼育している猫たちに、継続してマーガリンなどを余分にあたえたとろこ、ほぼ25パーセンの子猫が猫AIDSの状態で生れてきました。トランス脂肪酸こわい ですね。私は留学生なんですが 日本の対応おそすぎです よね。ESCOBEDO KELLY より

千葉のエスコビードケリーさん、ほんとにそうですよネ。
あなたの猫の繁殖場でやった動物実験を、人間でやってるようなものですよね、日本の国家は。

今は、マーガリンやショートニングに水素添加した油脂は使っていないので、トランス脂肪酸は殆ど含まれていないと思います。代わりに、飽和脂肪酸を多く含むパーム油とその分別油が使われています。これらはそのまま使うと、マーガリンやショートニングの物性が滑らかではなくなるので、エステル交換という操作をして使っています。エステル交換に使っている触媒の残存の方が問題かもしれません。

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