みなさんはクロストリジウム-ディフィシルという感染症をご存知でしょうか?
クロストリジウム-ディフィシル感染症は、腸内細菌のバランスが崩れることで、起こるとされ、それに大きく関与していると考えられているのが食品添加物、トレハロースと言われています。
そこでこのページではトレハロースとクロストリジウム-ディフィシル感染症についてお話したいと思います。
クロストリジウム-ディフィシル感染症とは
クロストリジウム-ディフィシル感染症はその名の通り、クロストリジウム-ディフィシルという菌が腸内に異常増殖することで起こります。
ディフィシル菌は増殖すると腸管粘膜を傷つけるトキシンAおよび細胞を壊すトキシンBと呼ばれる2種類の毒素を産生します。
これにより、下痢や腸炎が発症します。
強毒性の菌株である027株、078株などが出現すると重症や感染のリスクが高まるとされています。
クロストリジウム・ディフィシル菌は元々、健康な人や動物の腸に常在している常在菌の一種です。
その為、健康な乳幼児では約15~70%、健康な成人では約2~15%の頻度でクロストリジウム・ディフィシル菌が大便から検出されます。
産生される毒素の濃度は高いとされていますが病気の症状は何も示しません。
クロストリジウム-ディフィシル感染症は、抗菌薬や抗生物質を使用することで起こります。
ディフィシル菌は、多くの抗菌薬や抗生物質に対して、耐性を持っている「薬剤耐性菌」である為、既に殆どの抗菌薬や抗生物質が効きません。
そして、これらの薬品によって、更に腸内細菌のバランスが崩れることでクロストリジウム・ディフィシル菌は一気に増殖するとされています。
クロストリジウム-ディフィシル感染症の症状は以下の通りです。
- 軟便
- 下痢
- 腹痛
- 発熱
- 吐き気
- 嘔吐
症状は、クロストリジウム・ディフィシルが産生するトキシンAとトキシンBと呼ばれる2つの毒素による腸の粘膜の炎症の程度で異なります。
重症になると脱水、低血圧、中毒性巨大結腸症、大腸穿孔などの重症を起こし、命にかかわる恐れがあります。
治療方法は以下となります。
- 原因となった抗菌薬の使用を中止する
- 下痢止めの薬を服用の場合は、中止する
- クロストリジウム・ディフィシルに有効な抗菌薬を使う
- 脱水の場合、点滴治療
- 重度の場合、便移植
メトロニダゾールやバンコマイシン、フィダキソマイシンなどがクロストリジウム-ディフィシルに効果的な抗菌薬(抗生物質)ですが中でもフィダキソマイシンは、クロストリジウム-ディフィシルに対して強い抗菌活性があります。
クロストリジウム-ディフィシル感染症は、再発率が高い為、抗菌薬による長期的な治療が必要になる場合がありますので、非常に効果が高いフィダキソマイシンは、再発のリスクを減らす新しい抗菌薬として、注目されています。
トレハロースとは
トレハロースは2分子のグルコースが結合した糖で19世紀に発見されました。
しいたけ、なめこなどのきのこ類や酵母などに含まれている天然素材の糖で、温度や酸に強い為、安全で有用性に優れた糖として注目されてきました。
事実、多くの研究者らによって、トレハロースは、動植物の細胞やタンパク質を乾燥、寒さ、ストレスから守る働きをすることが分かっています。
動植物が元気に活動を行えるのは、トレハロースが生体内に蓄えられている為と言われています。
トレハロースの抽出は難しく、精製にかかる費用は1kgあたり700ドルであった為、最初は化粧品などにしか用いられていませんでした。
しかし、1994年、林原研究所がでんぷんからトレハロースの大量生産技術を開発。
以降、トレハロースの価格は3ドルにまで下がったことから2000年前後より日本の厚生労働省にあたる米国食品医薬品局(FDA)は、トレハロースは安全性、有用性の高い人工甘味料であるとして、食品、お菓子など幅広く添加されることになりました。
ちなみにトレハロースのカロリーは、1gあたり砂糖と同じ4kcalで、甘さは砂糖の半分以下ということです。
トレハロースでクロストリジウム・ディフィシル感染症が急増!?
2001年以降、クロストリジウム・ディフィシル感染症は先進国の北米、ヨーロッパで猛威を振るい続け、現在、アウトブレイク(大流行)の状態にあります。
2011年には約3万人がクロストリジウム・ディフィシル感染症で命を落としています。
クロストリジウム・ディフィシルは、抗生物質に抵抗性を持つ「スーパーバグ」であると考えられていましたが科学誌Natureオンライン記事によると抗生物質や抗菌薬の服用の増加=ディフィシル菌の増殖というわけではないといいます。
では何がクロストリジウム・ディフィシル感染症を引き起こすのか?
テキサスベーラー大学からの論文が掲載された科学誌Natureのオンライン記事で、クロストリディウム・ディフィシル強毒株の毒性菌は、食物添加物、トレハロースによって増強されるという衝撃的な発表がされています。
天然の糖で無害であるはずのトレハロースが一体、なぜクロストリジウム・ディフィシル感染症を急増させるのでしょうか?
ベイラー医科大学の研究によるとトレハロースがクロストリディウム・ディフィシル菌を増強させるのではなく、クロストリディウム・ディフィシル自らトレハロースを利用して、増強するといいます。
研究グループの報告によるとRT027株とRT078株は、増殖に必要な栄養素として、低濃度のトレハロースを利用できるようなメカニズムを持てるようにその形を変異させたといいます。
RT027株にはトレハロースを代謝しやすくする変異が見られ、RT078株にはトレハロースの代謝を促進させ、トレハロースを細胞内に取り込む変異が見られたとのことです。
マウス実験では、通常のRT027を感染させたマウスにトレハロースを溶かした冷水を与えたところ、マウスの80%が死亡しました。
対して、トレハロースを代謝できないように遺伝子に変更を加えたRT027のマウスの死亡率は33%でした。
その後、トレハロース水を与えた通常のRT027のマウスと普通の水を与えた通常のRT027のマウスの死亡率は、トレハロース水を与えたグループは普通の水を与えたグループの3倍に上りました。
そして、研究者らはヒトの小腸内からサンプルを採取してのヒト実験において、RT027株が活性化するに十分な低用量のトレハロースを検出したのです。
つまり、人間の腸内でもマウスと同じように低用量のトレハロースで、ディフィシル菌は増強することが分かったのです。
このようにRT027株とRT078株がトレハロースを利用してその毒性を高めたことで、世界各地で、RT027株とRT078株の感染者が一挙に増加し、重篤な状態に至っているということが今回の研究や実験によって明らかとなりました。
ちなみに上記以外の菌株は、トレハロースを利用していないといいます。
おわりに
2000年以降、様々な国でクロストリジウム・ディフィシル感染症がアウトブレイクしている背景には、同じく2000年以降、「安全な食品添加物」として認可され、広く使用されるようになったトレハロースがあるのではないかと考えられるようになりました。
日本では、まだクロストリジウム・ディフィシルは流行には至っていませんが今後、食品添加物、トレハロースの多い食生活を送り続ければディフィシル菌に苦しめられる日が訪れるかもしれません。
トレハロースは、パンや麺類、冷凍食品、肉や魚などの数多くの加工食品に添加されており、またその量はキノコ類などの自然の食品と比べ、多めですので、トレハロースを含んだ加工食品の食べすぎには是非、注意しましょう。
食品売り場でも疑毒性の添加物品が溢れている。健康志向の飲料・食品にも含まれている。国はなぜ国民の健康に直結する問題を軽視してるのか~不作為ではないか~国会議員は。動物実験でゴマカシ感じる。日本人嵒痢病率上がってるのは高齢化のみでない。
「致死性の感染症の急増が実は人工甘味料「トレハロース」によって引き起こされていたことを示す研究結果」という記事を読み、検索途中こちらのサイトへたどり着きました。
「抗生物質のきかないバクテリアはスーパーバグと呼ばれ、抗生物質の乱用が原因で耐性をつけたものと考えられていますが、今回の研究結果は抗生物質ではなく平凡な「甘味料」によって腸内環境が乱されていたという可能性を示唆している」とのこと。
新しい情報ありましたら是非ともご紹介ください。