酸化防止剤とは、その名の通り食品の酸化を防ぐ目的で使われる添加物です。食品は酸素に触れると酸化し品質の劣化が起きます。
それを防ぐために酸化防止剤を加えると、添加物自身が酸化されることにより、食品の酸化を防ぐことができます。
酸化防止剤には「水溶性」と「脂溶性」と大きく2つに分けられます。これは添加物自体が「水に溶けやすい」か「油に溶けやすい」かの違いで食品や素材により使い分けされます。
加工食品への表示方法は使用目的を物質名と共に表記することが義務付けられ「酸化防止剤(添加物名)」のように併記で表示される。
脂溶性について
油脂が酸化する条件は温度や光や紫外線、水分なども影響しますが、一番は酸素と反応することです。そこで脂溶性の酸化防止剤です。
脂溶性の酸化防止剤で代表的なものはトコフェロール(またはビタミンE)で主に油脂を使った加工食品(インスタントラーメン、スナック菓子、惣菜など)に使われます。
油脂に含まれる脂肪酸は、炭素と水素が鎖状に結合した「鎖式炭化水素」という構造をもちます。そのうち植物油脂に多く含まれる不飽和脂肪酸の構造は部分的に水素分子が欠けており不安定な分子となる。不安定な炭素分子は酸素と結合しやすい状態にあります。
<鎖式炭化水素イメージ>
H=水素
C=炭素
HHHHHHHHHH
||||||||||
H-CCCCCCCCCC-OH
||||||||||
HHHHH HHH
12345678910
※水素と結合していない不安定な炭素分子がある
例:オメガ6(左から数えて6番目が不安定)
こうして空気にふれた炭素は酸素と結合して酸化が起きます。
結合した酸素はまだ不安定な状態でさらに隣の水素分子を奪う。
するとまたまた不安定な炭素分子が生まれる。
これがドミノのように次々に連鎖して油脂全体が酸化する。
酸化した油は強い酸化作用をもち、人体のDNAを傷つけるため発がんの危険性があります。
そこで脂溶性の酸化防止剤がこの連鎖を止める作用があるので使われます。
しかしそれよりも、食品メーカーが気にするところは酸化した油が粘性を増し変色し悪臭を放ち味が落ちるところにあります。
つまり商品価値がなくなるということです。
なぜそういえるかと言うと加工食品に使われる油の多くがパーム油やトランス脂肪酸の含むキャノーラ油などの油脂であるため、そもそも消費者の健康なんてまるで考えていないことがわかるからです。
使われる酸化防止剤
BHAまたBHT
強力な発がん性をもつ危険な酸化防止剤。パーム油には必須の添加物です。
または安価なキャノーラ油などにも使われていると言われています。
詳細は→パーム油は不健康。植物油脂を毎日摂取で発がんと森林破壊
ビタミンE(トコフェロール、トコトリノエール)
詳細は→ビタミンE(トコフェロール、トコトリエノール)について
その他
没食子酸プロピル
関連記事
水溶性について
水溶性の酸化防止剤で代表的なものはアスコルビン酸(またはビタミンE)で主に果物の加工品や清涼飲料水、お茶などに使われます。
水溶性なので油脂類に添加しても溶けないため酸化防止効果を発揮することはできません。
詳しくはアスコルビン酸のページを参照してください。
使われる酸化防止剤
最後に
結局は酸化防止剤の一部にも問題はありますが、加工食品に使われる油脂自体の問題もあります。
だから加工食品は体に悪いから子供には食べさせたくないんです。子供に食べさせたくないから自分もほとんど食べることはありません。
家庭で酸化防止剤やレモン汁等の添加物を一切加えないで、自家栽培(無農薬・無化学肥料)のかぼちゃ、蜂蜜(国内産:ピュアー100%)、塩(国内産:ピュアー100%)のみでかぼちゃペーストを使って瓶詰めにして保存(賞味期限:1年間)を考えています。その方法と留意点をお教え願えないでしょうか。