クチナシ色素とは、クチナシの果実から抽出・生成される天然の色素で着色料として食品添加物に指定されています。
クチナシは古くから着色料として使われ、クロシン及びクロセチンというカロチノイド系の物質を主成分とする鮮やかな黄色い色素は、たくあんの色付けや 栗を煮るときなどに果実を一緒に入れ着色していました。また繊維などを染色するのにも使われていました。
クチナシ色素は、得られる色が黄、青、赤と3色あり、着色したい色により生成方法は異なり、黄色はクチナシの実を水またはエタノールで抽出。
食品への表示は
- クチナシ
- クチナシ黄色素
- カロチノイド
- カロチノイド色素
- カロテノイド
- カロテノイド色素
- クロシン
青色及び赤色はクチナシの果実からイリドイド配糖体(ゲニポシドなど)を抽出し酵素処理などを行い分離したもの。
- クチナシ
- クチナシ色素
お菓子、アイス、ガム、シロップ、麺、リキュール、栗きんとん、サプリメントなど意外とたくさんの食品に使われています。
クチナシ色素の副作用
ラットを用いた実験
経口投与で死亡例はないものの、下痢や肝臓から出血が起きるなどの症状が見られた。これはクチナシ黄色素に含まれるゲニポサイドという成分が原因で引き起こされたと考えられる。
しかしこの実験では通常の摂取量では少しありえない量のクチナシ黄色素の投与によるもので、適切な量であれば人体に問題ないとする意見もある。
漢方で似たようなの症例
クチナシの果実は、漢方の生薬としも使われ漢方名では山梔子(サンシシ)と呼ばれています。
主な効能として鎮静作用や止血作用、消炎作用、抗菌作用、解熱作用や精神安定作用などの効果が期待できるとされ、主成分であるゲニポシドは高血圧や高脂血症、コレステロールを下げるとされ、ストレス緩和などに効果があるとされています。
※ゲニポシドは杜仲茶の有効成分としても有名
発性腸間膜性硬化症の原因?
山梔子(サンシシ)が含まれる漢方薬3つの添付文書に「腸間膜性硬化症」を重大な副作用として2013年に追加されました。これはクチナシの主成分ゲニポシドを原因とし、この山梔子を含む漢方薬を長期間服用で起こると結論づけられています。
ゲニポシドが腸内でゲニピンに変わり、さらにアミノ酸と反応することで青い色素を発生させる。それが大腸のを粘膜を部分的に青くする。詳しい原因は特定されていないもののそこで何らか起こり腸間膜にある静脈を硬化させ、大腸の血流を阻害すると考えられている。
それにより大腸の石灰化、下痢や便秘を起こし、潜血便などの症状が起こり大腸を部分的に摘出しなくてはならない場合もあるとのこと。(結腸の全摘出例もあり)
その他
花言葉
「私は幸せ者」「とても幸せです」「優雅」「洗練」「清潔」「喜びを運ぶ」
害虫対策
クチナシは園芸用に多く栽培されています。害虫にやられやすく、対策として殺虫剤の塗布を頻繁に行うそうです。同じくクチナシ色素の原料も害虫対策は万全にやっているのだろうなと想像すると嫌な気分です。
最後に
加工食品にクチナシ色素が使われているからといって大騒ぎするほどでもありません。毎日食べるわけでもなく量的にも大したこともない。
しかし着色料は所詮見た目をキレイにするためのもので本来不要なものと考えます。
そういった食品添加物を使用している食品はもっと危険な添加物を使用している場合が多いので注意。
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