食品にも使われる塩化カルシウムについて

塩化カルシウムとは、塩素とカルシウムが結合した化合物のことです。
食品添加物として、カルシウムを強化する目的で使われたり、豆腐やチーズの凝固剤として、お酒や清涼飲料水などの硬度調整またはPH調整に使われたりします。

食品以外にも道路の融雪剤・凍結防止剤、衣類の吸湿剤などで使われることが多い。

自然界にも多く存在し、比較的安全な添加物です。※自然だからという意味ではありません。

が濃度によっては取扱い注意です。
食品に使う場合はカルシウムとして食品の 1.0%までと決められています。

SPONSORED LINK

用途詳細

凝固剤

チーズ

市販のチーズの大半は塩化カルシウムが使われています。(もちろん使っていない生産者もいます。)

チーズが固まるには原料となる生乳に含まれるカルシウムが関係しています。

生乳にレンネットという牛や羊の胃から得られる酵素を使い、生乳に含まれるカゼイン同士をカルシウムを媒介となってくっつき、固まります。

しかし日本のチーズは生乳を加熱し殺菌することが多く、生乳を加熱することでカゼインに含まれるリン酸が生乳に含まれるカルシウムと結合することで、結果的にカルシウムが不足し凝固しなくなってしまいます。それを防ぐために塩化カルシウムを添加するのです。※使うことが悪ということではありません。

生乳を加熱殺菌しなくてもチーズは作れますが、雑菌やカビの繁殖に関しても無殺菌のほうが長持ちすると言われています。

製法の違いといえばそれまでですが、塩化カルシウムが使われる理由の一つとして製品の安定化(均一な味、形)のためかなと思います。※推測です。

豆腐

豆腐の凝固剤としてにがり(塩化マグネシウム)が使われますが、塩化カルシウムも使われる場合があります。単体使用よりかは塩化マグネシウムなどと合わせて使用されることが多い。

硬度、ph調整

ビールを製造する際、使用する水の硬度を調整するために塩化カルシウムが添加されるものもあるそうです。軟水、硬水とあるようにどんなビールを作りたいかで硬度が調整されるようです。またphを下げ酸性に傾けることで酵素の働きが活発になるように調整するそうです。

融雪剤・凍結防止剤

道路の凍結や積もった雪にかければ融雪剤として溶かすことができます。これは塩化カルシウムは水と反応すると熱を発生するからです。素手で触るとやけどの危険性があり、特に目など粘膜部分に入らないように充分注意が必要です。

また(水和熱)、また予めまけば凍結防止にもなります。これは小学校の理科の実験でやったかと思いますが、塩を入れることによる凝固点降下が起きたことによる現象と同じです。通常、水は0℃で凍りますが、塩を入れることにより凝固する温度が0℃以下になります。

ちなみに一つの例として、静岡の浜名湖周辺の山道では雪が降った時に塩化カルシウムがまかれます。雪が解け塩化カルシウムを含んだ水が側溝を通り川に流れ最終的に浜名湖にたどり着きます。そこではウナギや牡蠣の養殖が行われています。

SPONSOR LINK



関連記事



コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です