酢酸とは、お酢に含まれるすっぱさの元となる酸味の主成分。
お酢にだいたい4~5%ほど含まれており、揮発性でツンとくる刺激臭が特徴的です。
食品添加物として、「酢酸」をそのまま使用するか、もしくは「酢酸ナトリウム」(水酸化ナトリウムと結合させたもの)、純度の高い酢酸「氷酢酸(ひょうさくさん)」として主に以下の用途で食品へ使われます。
- 日持ち向上剤(保存料)
- PH調整剤
- 酸味料
- 調味料
ソース類、マヨネーズ類、酢漬け、魚介練り製品、パン、おにぎりなど食品を選ばず多くの加工食品に使われます。
食品への表記は、
- 日持ち向上剤として使われる場合は物質名「酢酸」または「酢酸ナトリウム」
- 酸味料、PH調整剤の場合は一括表示が認められているため物質名の表記は不要
つまり酢酸または酢酸ナトリウムと書かれている場合、ほとんどが日持ち向上剤として使われていることになります。
食品添加物として使われる酢酸は、酢酸濃度が30%ほどの水溶液です。
一般的に酢酸の濃度が90%超えるものは氷酢酸と呼び、低温で凍るのが特徴。
食品添加物として使われる氷酢酸は純度99%のものを指します。
保存料ではない
酢酸は細菌の繁殖を抑える効果がありますが分類上は保存料ではありません。
しかし日持ちを向上させるので保存期間を高めるために使われています。
通常の保存料は食品によっては使用できないものがあったり、また保存料を使うと消費者のイメージダウンにつながるため、なるべく使いたくないものです。
そこで酢酸を使えば「保存料不使用」と堂々と言うことができます。
このほうが消費者にウケがいいので保存料の代わりに酢酸が使われることが多い理由の一つです。
酢酸の原料・製造方法
例えば天然醸造の米酢は、お米を原料に発酵・熟成させて製造し、酢酸の他にもさまざまな有機酸が含まれます。一方酢酸の場合はエタノールを原料に化学合成されます。(お酢から酢酸のみを取り出すことはできません。)
食品添加物に使われる酢酸はエタノール(アルコール)を原料にしてカティバ法と呼ばれる化学合成で生成されます。
そのエタノールの原料は遺伝子組み換えの可能性が非常に高い輸入トウモロコシまたはサトウキビの搾りカス「廃糖蜜」が原料となります。
市販のお酢にも酢酸は使われています
いわゆる合成酢とされるもので、エタノールから合成した高濃度の酢酸を水で薄めたものです。※商品によっては調味料を加えたりもする。
通常米酢であれば、お米100%で作ったお酢を純米酢と言います。およそ1リットルにつき120グラムのお米が必要です。
しかし米酢の定義は1リットルにつき40グラムのお米を使用していればOKと日本農林規格に定められています。
このギリギリの条件を満たし、のこりは安価な合成酢を混ぜればコストを抑えられ非常に安価な商品がスーパーなどに並びます。
市販のお酢が安い理由です。
米酢の原料にアルコールが含まれていたら酢酸が混ぜられていることになり、遺伝子組み換え商品の可能性が高いので注意してください。
純米酢と合成酢入りとでは有機酸の含まれる量が全く違い、味・効能・安全性どれをとっても天然醸造の純米酢にはかないません。
コメントを残す