クエン酸は梅干やレモンなどのかんきつ類に多く含まれる酸味の主成分です。
食べた時に「すっぱい」と感じるのはこのクエン酸によるものです。
クエン酸は昔から疲労回復に効果あり言われていますが、最近ではあらゆる病気の予防効果があるとまで言われ注目されています。
病気の予防効果の他にもクエン酸の利用方法はたくさんあり
- 食品の酸味付けとして(酸味料)
- 美肌効果
- 水回りの掃除に
- 洗濯の仕上げとして
- シャンプー後のリンスの替わり
など多岐にわたります。
クエン酸がなぜ体にいいのか、効果や摂取の仕方・注意点、その他の活用方法を解説していきます。
クエン酸回路(TCAサイクル)の活性化
クエン酸は体(筋肉)に溜まった乳酸を摂り疲労回復に効果ありと言われ、スポーツ選手など愛飲する人が多くいます。
しかし乳酸は運動だけでなく普段の食事からも発生し蓄積していく場合があります。
食べ物から摂取した栄養素(でんぷん・糖質)からエネルギーを作り出す一連の体内反応(代謝)をクエン酸回路といい、このクエン酸回路がうまく機能しない場合、エネルギーではなく「乳酸」となり体内に溜まっていきます。
乳酸は酸性で、溜まると血液や体液が酸性に傾き、体の疲れ・だるさ・病気の原因となります。
クエン酸は酸性の物質ですがクエン酸回路を活性化させるため、
糖の代謝がスムーズになり乳酸が溜まりにくくなり自然と体がアルカリ性に傾きます。
また溜まった乳酸もクエン酸回路で再度代謝・分解することができます。
クエン酸の健康効果
クエン酸の積極的な摂取で、クエン酸回路(TCAサイクル)の活性により以下の効果が期待できます。
ガンの予防
癌の原因の一つは体の酸化であり、体を酸化させる原因の一つが乳酸の蓄積です。
血液サラサラ効果
血液の酸化を防ぎアルカリ性に傾くことにより、ドロドロ血液がサラサラとなり、心臓病や動脈硬化、脳梗塞などの病気の予防になります。
痛風改善・予防
クエン酸回路の活性で尿酸の排泄もスムーズになり、尿酸値を下げる効果があります。
アンチエイジング・美肌効果
老化は体が酸化することによる劣化現象で、肌もまたしかり。
加工食品にも含まれる
クエン酸は食品添加物として様々な食品に使用されています。
主な使用目的は
- 食品に酸味をつけるため
- 食品のPHを調整するため
酸味料として
ジュースやお菓子の酸味付けに使われています。
以前生活クラブの勉強会に参加したときに無果汁の炭酸飲料を作ったことがあります。
材料は以下
- 果糖ブドウ糖液糖
- 炭酸水
- クエン酸
- 着色料
- 香料
果糖ぶどう糖液糖に炭酸水を加え試飲すると甘すぎて飲めません。
それが酸味料としてクエン酸を少し足すと味が爽やかになり
市販の炭酸飲料と同じく好きな人はいくらでも飲めてしまう。
この飲みやすさが糖分の過剰摂取を招きます。
他にもラムネ菓子やグミなどにも含まれ、これらも大量の糖分が含まれているがクエン酸の酸味効果で同じく食べやすくなっています。
PH調整剤として
加工食品のPH(酸性度・アルカリ度)の調整を行うために使われています。
PHを適切な値に調整すると
- 食品の味・食感の向上
- 変質や変色、劣化を防ぐ
- 雑菌の増殖を抑え腐敗を防止
健康のために入っているわけではない
美味しく食べやすくするのが目的で健康を目的にしている訳ではありません。
むしろ加工食品の食べ過ぎ・飲みすぎを助長しやすくなり、
加工食品に含まれるその他の添加物や糖分の過剰摂取を招き、逆に健康を害する危険性がありますので注意してください。
一括表示
クエン酸が添加物として使用されている場合、食品の裏側にある成分表示には酸味料やPH調整剤と表記されます。
ただし、酸味料やPH調整剤は一括表示といって、その用途名のみ記載されるだけです。
酢酸、フマル酸、コハク酸、グルコン酸、リンゴ酸なども同じ目的で使われている場合があるので実際のところ何が入っているか分かりません。
食品からとるようにしたい
クエン酸人気から、サプリメントで摂取する人も少なくありません。
また粉末を水に溶かしたクエン酸水をベースにオリジナルのスポーツドリンクを作る人も中にはいます。
原料の問題
食品添加物やサプリメントなどに使われているクエン酸の原料は
タピオカ、とうもろこし、さつまいもなどのデンプンや糖を発酵させて大量作られています。
こうして作られるクエン酸自体に問題は特にありません。
しかし日本で販売しているクエン酸の90%が中国産です。
中国産というと
- 原料の安全性
- 劣悪な生産環境
があり不安を残します。
※とはいえ国内産だからといって安全である保障もありません・・・
含まれる食品
クエン酸が多く含まれる食品は
- 梅干
- レモン
- グレープフルーツ
- キウイフルーツ
- トマト
などが代表的です。
ただ海外産のかんきつ系の果物は残留農薬の問題、梅干も市販のものは添加物が多く使われているので注意してください。
選ぶなら
- 無添加の梅干し
- すだち
- カボス
- 国内産のレモン
- キウイフルーツ
- トマト
など
オススメは自家製の梅干です。
自分で作るとクエン酸たっぷりの梅酢も同時に手に入ります。
※オーガニックショップにも売っています。
またクエン酸は熱にも強いので、料理にお酢をうまく活用するのも◎
酢の物なども積極的に食べるなどして上手に取り入れてください。
※お酢は酢酸が主成分ですが体内でクエン酸に変わります。
その他のクエン酸の活用方法
クエン酸風呂
お風呂に大さじ1杯程度のクエン酸を入れるだけ。
皮膚からクエン酸を吸収することにより、クエン酸回路が活発になるとのことで美肌効果、美白効果があるといわれています。
また皮膚の細菌の抑制効果あり体臭の防止にも役立つそうです。
しかしそもそも市販のクエン酸のほどんどが中国産ということを忘れないでください。
リンスとして
クエン酸リンスの作り方は洗面器のお湯に小さじ半分程度のクエン酸を溶かすだけ。
シャンプー後、クエン酸リンスで髪の毛をすすぐと髪の毛がしっとりと仕上がるとのことです。
そもそも大手メーカーのシャンプーには界面活性剤など体に悪いものがたっぷり入っています。シャンプー後のリンスを気にするよりもシャンプー自体を気にしたほうがよいのではと思います。
ピーリング
クエン酸の粉を使って顔をこすり、古い角質を剥がし肌を再生させることです。
肌荒れやニキビ、シミ、シワに効果があると言われていますが、ピーリングのやり過ぎで肌の保湿機能・バリア機能を損ない、乾燥肌になったり、ちょっとした刺激に敏感になったりピーリングによる事故も多いのだとか。
そもそもクエン酸回路を活発にし新陳代謝をよくすることに専念すれば不要かと思います。
まとめ
クエン酸は確かに体に良い作用があるので積極的に摂るのはとてもいいことだと思います。
ただ、病気など体の不調があるからといって、クエン酸をとっても原因が別のところにある限り、根本的な解決にならないので体の不調はよくならないと思います。
健康になりたいなら、まずは糖質を抑えたり、添加物や農薬をを避ける努力行うなど、今の食生活を見直すべきだと思います。
クエン酸のピーリングはローションに溶かして使用するのが一般的です。
粉をそのままピーリングに使うと言うのは聞いたことありません。
その利用方法なら重曹でも砂糖でも塩でもクルミ殻粉でも同じです。
クエン酸の粉末を溶かして毎日飲んでます。郡司氏の本にクエン酸は毒性ありと危険物質のように書かれてますが、インターネットでの検索記事では無害となっています。
毎日飲んでも大丈夫でしょうか。お教えください。