保存料で使われるポリリジンは安全か?毒性はないのか?

私たちの健康を脅かす食品添加物は、数多くありますが近年、ポリリジンという食品添加物がよく使用されるようになっています。
ポリリジンは、果たして安全な添加物なのでしょうか?

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ポリリジンとは

ポリリジンは、味噌や醤油、ヨーグルトなどのように微生物による醗酵で生産される天然系の既存添加物の代表的存在です。

自然発酵法によるポリリジン生産は、1970年代に大阪府立大学の酒井教授によって行われました。

ポリリジンは、放線菌という微生物を発酵させて生産された物質です。

ポリリジンは、吸湿性が強く、様々な微生物に吸着して、生育を抑制する効果に優れている抗菌作用を持つ物質です。
その為、ポリリジンは、抗菌剤としての役割を持ちます。
また熱に強い為、数多くの加工食品に天然の防腐剤(保存料)として使用されます。

ポリリジンが添加されることで、食中毒が予防されたり、食品の風味、日持ちがアップするなどのメリットが生まれます。

ただし、枯草菌など多くの細菌には、効果を発揮するポリリジンですがカビには有効ではないと言われている為、以下のような他の食品添加物と併用する事が望ましいとされています。

しらこたん白

サケ、マス、ニシンなどの成魚の精巣(しらこ)からタンパク質を抽出し、酵素などで分解して精製した、塩基性タンパク質(プロタミンヒストン)を主成分とする天然系の保存料の一つ。
アルカリ側のpH領域で効果を発揮する為、アルカリ側の食品(中華麺、和菓子、洋菓子など)によく使用される。
しらことして、長きに渡って食べ続けられたことから安全性は高いと考えられている。

ツヤブリシン

別名、ヒノキチオール(抽出物)。その名の通り、ヒノキ科のヒバから抽出されるツヤブリシンを主成分とした天然系の保存料の一つ。
強い抗菌、抗細菌活性、また抗酸化活性にも優れているにも関わらず、低毒性という特長がある。
ヒノキの特有の香り、そして、水に溶けにくいことから食品添加物ではなく、包装用の紙などの防腐剤としてよく使用される。
またその香りを活かして、歯磨き粉やヘアケア製品にも使用される。

加工食品への表示名について

食品添加物として使用されるポリリジンは、正式には、ε-ポリリジンと呼ばれます。

ポリリジンが食品添加物として、使用される場合、「保存料(ポリリジン)」のように用途と物質名を表示することが定められています。

ポリリジンは、コンビニのおにぎりや巻き寿司、弁当、惣菜、麺類、駅弁、魚の切り身、スープ類などの食品によく使用されます。

食品以外では、ポリリジンの優れた抗菌作用を活かして、台所、トイレ用の除菌剤として使用されます。

ポリリジンの安全性

ポリリジンが私たちの健康に及ぼす害は、厚生労働省が行った既存添加物の安全性の調査研究によって、極めて少ないということが分かっています。
マウスによる実験では突然変異、発がん性は認められなかったことから食品添加物としての使用量に関する制限は特にされていません。
また使用基準が設けられているわけではありません。
このことからポリリジンは比較的に安全性の高い添加物であると考えられています。

事実、日本で1985年に食品添加物として承認されたポリリジンは、今日まで問題なく使用され続け、韓国でもその安全性と効果が認められ、食品添加物として、広く利用されています。
更に2004年には、天然系食品添加物である「ポリリジン」は、FDA(米国食品医薬品局)にGRAS物質の認可を受けています。

GRAS物質は、FDA(米国食品医薬品局)より、特に安全性のテストをせずとも一般的に安全であると認められた食品添加物に与えられる安全基準合格証です。
「GRAS」は、Generally Recognized As Safeという頭文字から取って、名づけられました。
その名の通り、「一般に安全と認められる」物質のことです。

このようにポリリジンは、非常に安全な食品添加物であるというのが一般的です。

ただし、ポリリジンは、慢性毒性によって、微生物の増殖を抑制する為、毒性が人体に影響しないとは一概には言い切れません。
マウス、ラットによる実験では、「体重の増加抑制」「白血球の減少」などが起こったとの報告がなされています。
安全な物質であることは事実ですが危険性に関するデータは十分ではない為、人体への害は実は良く分かっていないのが現状です。

ですので、 ポリリジンが添加されている食品の過剰摂取は避けるべきです。
しかし、それは、全ての食品添加物も同様です。

保存料としての食品添加物には、ポリリジンより安全性に不安がある、むしろ危険性の高いソルビン酸や安息香酸ナトリウムなどがあります。

ソルビン酸k安息香酸ナトリウム、どちらも細菌やカビなどの微生物の増殖を抑制する効果がある為、防腐剤としてよく使用されます。
そして、どちらも強い毒性があるので、動物実験によって、急性毒性が起こる事が分かっています。

ソルビン酸

体重1kgに対し、4.2gのソルビン酸カリウムを投与したラットのおよそ半数が死亡した。

かまぼこ、ちくわ、はんぺんなどの練り物製品、ハム、ソーセージなどの加工食品、コンビニのサンドイッチ、味噌、ケチャップ、ワイン、クリーム、大福などの和菓子、ジャムなど、数多くの食品に添加されている為、過剰摂取はもちろん、他の添加物との複合摂取による発がん性のリスクが高まる危険性もある。

安息香酸ナトリウム

2%で、モルモットに「体重減少」「食欲低下」が起こった。
5%で、「尿失禁」「痙攣」等の過敏反応を起こした後に全てのモルモットが死亡した。

体重1kgに1gの安息香酸ナトリウムを混ぜたエサを250日間、犬に与えると「運動失調」「癲癇」「痙攣」を起こした後、死亡した。

リポ●タンD、チオ●タドリンクなどの栄養ドリンクやペ●シネックス、ファン●グレープなどの炭酸飲料、醤油、キャビア、マーガリン、シロップ、果実ペーストなどによく使用される。

他の添加物との組み合わせにより、アレルギーが起こる恐れがある。
特に着色料として使用される「黄色4号」と一緒に摂取すると喘息、じんましん、鼻づまりなどのアレルギー症状が出やすくなると言われている。

まとめ

国内外の機関の見解では、

  • ポリリジンは、天然系の既存添加物である為、安全性は高い。
  • FDA(米国食品医薬品局)にGRAS物質として認められている。

ただし、安全性に関するデータは十分ではありません。
数多くの身近な食品に使用されている添加物だからこそ、安全性がはっきりと確認されていないということは、気になるところではあります。
しかし、それは全ての食品添加物に言えることです。
そして、ポリリジンよりはるかに安全性がはっきりしないどころか、危険が指摘されている添加物の方を特に注意して、なるべく摂らないことを心がけるべきだと思いますね。

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