タウリンとは、イカやタコ、牡蠣などの魚介類に多く含まれるアミノ酸に近い栄養素で、胆汁酸という肝臓で作られる消化液の主成分として、また肝臓・心臓・腎臓・肺・脳・網膜・卵巣・精子など人間の臓器などに多く存在します。
食品添加物として、粉ミルクにも添加され、栄養ドリンクなどの栄養強化やサプリメントとしても売られています。
タウリンの働きは肝臓・腎臓・心臓の機能に密接に関わり、人間にとって大切な機能・役割を果たし生命活動に不可欠な栄養素の一つといえます。
しかしなんとなく健康そうなイメージはありますが、タウリンの効果・効能はあまり知られておらず、また普段の生活でどんな食品からどれだけ摂取すればよいのか、不足するとどうなるか…など
タウリンについてあれこれ解説していきたいと思います。
タウリンの効果・効能
タウリンは、主に肝機能の改善に良い効果を発揮し「代謝・解毒機能の向上」、「肝細胞の修復」、「胆汁の分泌促進」などにより様々な健康効果が期待できます。
肝臓は腸で吸収されたタンパク質・脂質・糖などの栄養素の代謝・貯蔵したり、胆汁の生成・分泌、有害物質の解毒や不要物の排泄など、生命維持活動に必要な多くの働きをおこなっており、肝臓が弱るとあらゆる不調の原因ともなりえます。
胆汁の分泌を促進
タウリンは胆汁の主成分です。
胆汁は肝臓で作られ、胆のうに溜められ、食べ物を消化する際に十二指腸へ送られ、食物に含まれる脂肪に働きかけの消化吸収を助けます。
また胆汁に含まれる胆汁酸には余分なコレステロールを排出する効果があります。
タウリンの摂取で胆汁の分泌を促進すればコレステロール値を下げ、動脈硬化の予防効果も期待できます。
脂肪肝の予防・改善
タウリンには肝臓に溜まった中性脂肪を排出する効果があり、脂肪肝の改善や予防に役立ちます。
食事から吸収した脂肪分は肝臓で中性脂肪に変化し貯蔵されエネルギーとして必要な分が代謝されます。
しかし食べ過ぎ・飲みすぎにより、代謝が間に合わない場合、中性脂肪が肝臓に蓄積されます。
肝細胞の脂肪率が30%を越えると脂肪肝となり、脂肪肝は「肝硬変⇒肝がん」へと進行する場合がありますので注意が必要です。
脂肪が溜まると肝臓の機能が悪くなり、動脈硬化を引き起こすだけでなくあらゆる病気の引き金になります。
解毒作用を高める
肝臓はアルコールや老廃物など身体にとって毒となるものを分解し無毒化する解毒作用があります。タウリンには肝機能をアップする効果があるので解毒作用が高まります。
また腎臓のろ過機能もアップするので解毒効果もさらに期待できます。
アルコール代謝を促進
タウリンを摂取するとアルコールを分解する酵素を活性化します。アルコール代謝を早めることにより肝臓への負担を軽減します。
肝臓の修復・再生
タウリンは肝細胞がダメージを受け弱っていると修復・再生を促し、肝細胞を正常な状態に回復させる効果があります。
その他
角膜の修復を助け視力回復、腎機能アップ、高血圧の予防、降圧作用、インスリンの分泌促進など他にも期待できる効果はたくさんありますが、これらの原因はタウリンの不足によって起こるのではなく、食生活(生活習慣)に根本的な原因があることを認識してください。
これらの改善しない限りいくらタウリンを摂取してもよい効果は得られません。
食品から摂取する
タウリンはタンパク質からも合成でき大きく不足することはありませんが、足りている人は少ないかもしれません。
タウリンの1日の摂取量は500mgとされおり、日本人の平均摂取量はだいたい100mg~300mg程度といわれています。
あとはタウリンを含む食材を少し意識すれば問題ないのではないでしょうか。
タウリンを多く含む食品
※100g中に含まれる量
- サザエ・・・1,500mg
- カキ・・・1,130mg
- ハマグリ・・・1,080mg
- タコ・・・830mg
- カツオ・・・830mg
- イカ・・・770mg
- ブリ・・・670mg
- アサリ・・・380mg
- しじみ・・・110mg
タウリンは魚介類に多く含まれているのがわかります。
オススメはスルメイカです
スルメイカはタウリンだけでなくその他の栄養素も豊富で言うことなしです。
おやつにも最適で、甘いものを食べずに済みますので、肝臓だけでなく体も疲弊しません。
※ただし無添加で天日干しのスルメイカを選んでください。
コンビニになどで売っているものはあまりオススメできません。
タウリンは水溶性
タウリンは水に溶けやすい性質を持つため、多く含む食品を煮たりすると溶けだしますのでスープを飲むなどして無駄なく摂取してください。
天然と合成
サプリメントに含まれるタウリンは、牡蠣や牛の胆汁から抽出した天然由来ものが多いですが、栄養ドリンクなどは合成タウリンが使われているようです。
合成タウリン3つの生成方法
- 臭化エチレン+亜硫酸ナトリウム+アンモニア
- エチレンイミン+亜硫酸
- ニトロエチレン+亜硫酸水素ナトリウム
天然と合成どちらが良いかは言うまでもありませんが、商品の裏などを見て見極めてください。
副作用
タウリンは代謝されやすいので、過剰摂取してもきちんと排泄されます。
タウリン1000mg配合!
とある栄養ドリンクのキャッチコピーに使われていましたが、栄養ドリンクからタウリンを補給しようなど考えないでください。
カフェインやアルコールにより一時的な興奮作用があり元気が出た感がありますが、それよりも高い糖分摂取により体が疲弊します。
まとめ
肝機能など疾患がある方や数値に異常のある方はタウリン不足ではなく食生活が原因だと考えてください。
まず食べ過ぎ・飲みすぎを控え・食事の質を見直し、その上でタウリンを少し意識した食事に変えてみるとよいかと思います。
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