農薬に使われる硫酸銅は、赤ちゃんの粉ミルクにも使われている!?

中学や高校の理科の授業で、硫酸銅は毒性があると教えられませんでしたか?
その為、硫酸銅を使った実験の際、手で触らないようにと言われたことがあると思います。

ですがそんな有毒な物質とされる硫酸銅がなんと食品に使用されているって、ご存知でしたか?

そこで今回は、危険な硫酸銅が一体なぜ、食物添加物として、使用されているのか?
そして、その毒性とは一体、どのようなものなのかについて、お話していきたいと思います。

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硫酸銅とは?

硫酸銅は、銅の硫酸塩で、組性の異なる2種類の硫酸銅があります。

  • 硫酸銅(I)・・・化学式は、(Cu2SO4)
  • 硫酸銅(II)・・・化学式は、(CuSO4)

一般的な硫酸銅は、後者の硫酸銅(II)になります。

硫酸銅(II)とは、2価の銅イオンと硫酸イオンとの化合物で、五水和物(CuSO4・5H2O)と無水和物(CuSO4)があります。

五水和物の結晶は、三斜晶系で、鮮やかな青色をしていて、5つの水分子を含んでいるため、水に溶けやすいと言う性質があります。
酸化銅を希硫酸に溶かし、濃縮して、結晶化させたのが五水和物です。
五水和物は胆礬(たんばん)とも呼ばれますがその場合、自然産出したものをいいます。

五水和物(CuSO4・5H2O)は、45℃で熱した場合、三水和物(CuSO43H2O)、110℃で熱した場合、一水和物(CuSO4H2O)になります。

無水和物は、五水和物を250℃で加熱脱水した場合に得られます。
無水和物は白色の粉末で、エタノール(エチルアルコール)には溶けず、メタノールにも僅かにしか溶けません。
乾燥した無水和物=硫酸銅(II)は、水に溶けやすい性質を持っています。
その為、五水和物の結晶から水分がにじみ出てくると、無水和物(白色の粉末)はすぐに水分を吸収して、青色の水和液(硫酸銅溶液)になります。

ちなみに銅イオンCu++に含まれる電子は、青色以外の光を吸収するため、残った青色だけが光に反射するので、硫酸銅は青く見えます。

硫酸銅の用途とは?

硫酸銅(II)は、殺菌剤(ボルドー液)の原料や銅めっき液、青色顔料の原料、鍍金めつき液などに用いられます。
ボルドー液は、果実類、野菜類、豆類には無害ですがこれらの病害虫を駆除するので、農薬として、よく使用されます。
ちなみに「有機 農産物の日本農林規格」において、ボルドー液は、有機農産物への使用は禁じられていない為、「有機農産物」の表示が認められています。

無水和物は、水分吸収に優れているので、乾燥剤や脱水剤として、使われます。

また殺菌作用に優れている硫酸銅(II)は、白点虫に侵された熱帯魚や海水魚を治療する為の
白点病の治療薬や化膿性皮膚疾患(おでき)の膿を排膿する「たこの吸出し」の有効成分として、おできを治療する市販薬に使用されています。

その他、五水和物の結晶は、理科の実験教材として利用されることがあります。

そして、硫酸銅は、食品添加物としては、乳児用の粉ミルクのみに使われています。

銅は赤ちゃんにとって、必要不可欠な栄養素の一つとされている為、栄養強化剤として、
粉ミルクに硫酸銅が添加されていると言われています。

母乳ではなく、人工乳のみで育てられている赤ちゃんは、銅の欠乏が起こりやすくなるので、市販の粉ミルクには微量の銅が添加されているといいます。
国から指定された濃度以下(6mg/Lまで)であれば食品添加物として認められています。

ちなみに海外では、食品に硫酸銅を添加することは認められていません。

しかし、2013年6月、中国、江西省にある30社の工場で、アヒルの卵を鉛、ヒ素、カドミウムなどの有害物質が含まれる工業用の硫酸銅に浸して、ピータンを製造していたことが抜き打ち検査で判明し、即刻、操業停止となったというニュースがありました。

通常は、食用アルカリ、塩、石灰などに2ヶ月浸すことで、出来上がりますが硫酸銅を使うことで、短期間で独特の褐色になるといいます。
これにより、より早く出荷が可能になるというわけです。

硫酸銅の毒性

硫酸銅は、重金属である銅が含まれているため、急性毒性がありますので、硫酸銅は、危険有害性の分類では、急性毒性物質に分類されています。
その為、国から「医薬用外劇物」に指定されています。

「医薬用外劇物」とは、医薬品以外の物質で、「毒物及び劇物取締法」で毒性が有ると指定された化学物質のことです。

その為、取り扱いには十分な注意を要さなければならないとされています。

物理的危険性はありませんが化学的危険性は高いとされています。
硫酸銅(Ⅱ)CuSO4の水溶液は、酸性のため、腐食性がありますので、多くの金属を溶かしたり、サビつかせたりします。

皮膚、粘膜などに接触した場合は、それらが腐食し、炎症、ただれ等が起こり、後遺症が残る恐れがあります。
しかし、皮膚から吸収されることはないので、すぐに水と石鹸で皮膚や粘膜を洗浄すれば大丈夫です。
眼に入った場合もすぐに多量の水でしっかり洗浄します。

飲み込んだ場合は、腹痛や下痢、吐き気、嘔吐などの症状が出ますので、すぐに水で口の中やのどをすすぎ、牛乳や多量の水を飲むなどをします。

また血液、腎臓、肝臓に影響が及び、溶血性貧血、腎臓障害、肝臓障害が引き起こされる恐れがあります、
大量に誤飲した場合は死に至ることがあります、
飲み込んだ場合は、すぐに水洗浄を行った後、速やかに医師の手当てを受けてください。

20℃ではあまり気化しない為、危険性はそれ程ないとされますが粉末であれば粉塵の拡散によって、有害性は高まります。
吸入した場合は、気道が刺激され、咳、頭痛、息切れ、咽頭痛、悪寒、疲労などの症状が出ます。
また長期の吸入では、肺に異常が起こる恐れがあります。
応急処置には、鼻をかむ、うがいをする、新鮮な空気を吸う、安静にするなどがあります。

硫酸銅の致死量は、10~20g(体重50gの成人)ですが実際は、0.02~0.05gで
嘔吐してしまう為、自殺したくても死に切れず、肝臓や腎臓などに障害だけが後遺症で残る恐れがあると言われます。

このように硫酸銅は、農薬にも使われる程、毒性が強い化学物質です。
にも関わらず、赤ちゃん用の粉ミルクに含まれているという恐ろしい現実があります。

日本の宝である子供の命や健康を守らずして、日本の未来はありません。
硫酸銅はあくまでも硫酸銅=化学物質であり、天然の銅ではないのです。
赤ちゃんへの身体への影響は全くないと言い切ることは出来ないように思います。
また私たち大人が硫酸銅を摂取する危険性は殆どありませんが中国の毒漬けピータンの事件もあります。
今後、このような商品が日本に輸入されないか非常に不安になりますね。

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