ケーキやクッキーなどのスイーツに甘い香りをつけて、スイーツを一段と美味しくしてくれるバニラエッセンスやバニラオイルは、お菓子作りには欠かせない必須のアイテムですよね。
しかし、バニラエッセンスは、何から出来ているのか、その成分を詳しく知らないという方は多いのではないでしょうか?
そこで今回は、バニラエッセンスの成分、またバニラエッセンスとバニラオイルの違いについて調べてみました。
バニラとは
バニラエッセンスを詳しく知る前にまずバニラとは何かについて知っておきましょう。
バニラ香料の原料は、バニラというラン科バニラ属のつる性植物のグリーンの果実です。
そのままでは果実は青臭いので、キュアリングという工程で果実を乾燥・発酵させます。
果実がグリーンからチョコレート色に変わるとアイスクリームやケーキなどのあの独特の甘く強い芳醇な香りが生まれます。
この果実から取り出した種が「バニラ・ビーンズ」となります。
バニラ香料は、アイスクリームやケーキなどの洋菓子、コーヒー、ココア、スコッチ、ウイスキー、香水などに用いられています。
バニラ香料には、以下のように様々あります。
- バニラ・エッセンス
- バニラ・オイル
- バニラエクストラクト
- バニラ・ビーンズ
バニラのさやは1本数百円とバニラ・ビーンズはとても高価なので、人工香料を多く使ったバニラ香料や原料であるバニラを一切使っていないバニラ香料もあります。
その場合、バニラ風味のバニラ香料となります。
バニラエッセンスとは
バニラビーンズをアルコール(エタノール)で浸して、香りの成分を抽出したものがバニラエッセンスです。
バニラ香料の中で、最もポピュラーで、入手しやすく、大体30mlで200円あれば買えるのがメリットです。
しかし、成分は以下となり、人工香料・添加物のバニラ香料となることが殆どです。
- エタノール35%
- グリセリン6%
- カラメルⅠ 0.1%
※カラメル色素の中でもカラメルIは、安全ですが危険な種類のカラメル色素もあります。
※成分や成分重量は、それぞれ商品によって少々違いがあります。
バニラエッセンスの多くは、エタノールに溶かしたものが一般的です。
きちんとお酒を使っているものもありますが少々高価になります。
アルコールは揮発しやすいので加熱するとバニラの香りが飛びやすい為、バニラエッセンスは、加熱しないアイスやゼリー、ムース、ババロアなどの冷菓に適しています。
バニラオイルとは
バニラビーンズを油で浸して、香りの成分を抽出したものがバニラオイルです。
アルコールで抽出したバニラエッセンスと比べて、香りがやや強くなるのがメリットですが成分は以下となり、バニラエッセンス同様、合成香料のバニラ香料となることが殆どです。その場合、大体30mlで300円ちょっとで買うことが出来ます。
- プロピレングリコール39%
- エタノール19%
- グリセリン3%
※プロピレングリコールは、石油化学成分の中で、有害性があると認定されています。
※成分や成分重量は、それぞれ商品によって少々違いがあります。
またカラメル色素や人工甘味料であるソルビトールなどの添加物が含まれているものもあります。
ソルビトールは、糖尿病やアレルギーを起こす恐れがあると言われています。
バニラオイルは、バニラエッセンスと違い、加熱しても揮発はしない為、香りが飛んでしまうことはないのがメリットなので、ケーキやクッキー、プリンなどの焼き菓子に適しています。
合成香料の危険性
天然のバニラの濃度が高い高級なバニラエッセンス、バニラオイルもありますが多くのバニラエッセンス、バニラオイルは、非常に安価です。
前段でお伝えした成分を見てお分かりかと思いますが合成香料を使用しているからこそ、安いのですね。
安さは大変、魅力的ですが人工香料が身体に及ぼす影響は、やはり考えなければなりません。
近年、洗剤や柔軟剤などの洗濯用品に「香り」が付いた商品が人気となっていますよね。
しかし、このブームの裏で、急増しているのが化学物質過敏症です。
化学物質過敏症は、文字通り、僅かな化学物質でさえ、体内に取り込まれると身体が過敏に反応してしまう症状です。
化学物質過敏症は、ある日、突然、発症すると言われています。
症状には以下のように多岐にわたります。
- 結膜炎
- 鼻炎
- 咽頭炎
- 皮膚炎
- 中耳炎
- 気管支炎
- 喘息
- 動悸
- 下痢
- 便秘
- 異常発汗
- 手足の冷え
- 不眠
- 不安
- うつ
- イライラ
- 健忘
- 麻痺
- 頭痛
- 発熱
- 疲労感
- 倦怠感
- 意識障害
風邪や更年期障害、疲れ、加齢などから来る症状が多い為、「特に異常はない」で済まされやすいので、化学物質過敏症であることに気づかないケースが多くあります。
例え少量でも長期的に取り込み続けていけば、体内が許す、許容量を超え、化学物質過敏症を発症してしまう恐れがあります。
身体に備わった防御反応である為、年齢・性別を問わず、誰にでも発症し、特効薬はありません。
人工香料の害によって、化学物質過敏症を発症してしまうかもしれないということを考えれば、人工的な香りで作られた香料の濃度が高い安価なバニラエッセンスやバニラオイルは避けたくなってしまいますよね。
使用する場合は、必ず適正な量(2~3滴)をしっかりと守って、使うことが大切です。
バニラエクストラクト/バニラ・ビーンズとは
本物のバニラの香りを使用するのであれば、バニラ・ビーンズやバニラエクストラクトがオススメです。
バニラエキストラクトは、バニラ・ビーンズを酒類に直接、浸して天然のバニラ液を抽出した天然のバニラ香料です。
バニラエクストラクトは、欧米では大変、主流なバニラ香料です。
バニラエキストラクトは、バニラビーンズ1~2本をウォッカまたはラム酒100~150ccに漬け込んで、自宅で手作りすることも出来ます。
既製品のバニラエキストラクトは、59mlで1500円ちょっとはしますし、また1ヶ月は漬け込むので出来上がるまでに時間がかかるのがデメリットです。
バニラ・ビーンズは、乾燥した黒い棒状のさやですので、さやの中から種(ビーンズ)を取り出して使用します。
風味、香りが抜群ですが毎回、さやの中から種(ビーンズ)を取り出す手間がかかること、また最初にもお伝えしているようにバニラ・ビーンズは、非常に高価なのがデメリットです。
おわりに
このように甘いバニラの香りは、決して、天然のバニラであるとは限りません。
安いバニラエッセンスやバニラオイルのバニラの香りは、実は危険な添加物で作られているのです。
多くの安物のバニラ香料は、合成香料、高級なバニラ香料は、本物(天然)のバニラ香料であるということを覚えておくと良いでしょう。
「香料の害」を確実に避けたいのであれば、なるべく「本物」のバニラ香料を選びましょう。
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