ハムは英語で「豚のもも肉」という意味です。本来は豚のもも肉を塩漬けして加工した食品を指す言葉です。日本ではロース肉や肩肉、小さな肉を寄せ集めて作るプレスハムなどもハムと呼ばれています。
加熱加工するハムと塩漬けだけの生ハムがあり、どちらも大変おいしく頂けます。生ハムは塩が強いのでサラダやメロンとともに食べたり、細かく刻んで調味料代わりに使うと良いでしょう。
(※妊娠の可能性のある女性は生ハムは食べないようにしましょう。胎児に悪影響を与えるトキソプラズマやリステリア菌が混入している可能性があります。これらは熱にとても弱い菌なので加熱したハムや、生ハムでも加熱調理すれば食べられます。)
脂身たっぷりのバラ肉を塩漬けして薫製させたものがベーコンです。旨みと脂が大変おいしく、アメリカでは定番の食材です。
豚肉加工の本場、ドイツでは各地方で様々なハムが作られています。
日本でもドイツのハム加工マイスターを所得した職人がたくさんいます。規模は小さくても丁寧に作る無添加ハムを販売し、一定の支持があります。丁寧に作られたハムはただ切って焼くだけでもメインディッシュになるほどの美味しさです。
安心・安全オススメ商品
平田牧場 無添加ハム・ベーコンシリーズ
ソーセージでも紹介した平田牧場はハムやベーコンの加工販売もしています。
平田牧場ではお米を与えて育てた豚を使ったハムやベーコンがたくさんあります。お米を食べた豚は風味がまろやかでクセが少なく、誰にでも喜ばれる味です。
ハムはロースハム、モモハムの2種類で薄くスライスしています。このまま未開封で冷凍保存すれば1ヶ月ほどは保存できます。
冷蔵庫でゆっくり解凍すれば風味は損ないません。
平田牧場はベーコンの種類が多く、よく見かける薄切りだけでなく固まり肉のベーコンも多数そろえています。
脂が少なめを希望される方は「赤身べーコン」がおすすめです。脂が少なく、バラ肉の豊かな風味を全面に押し出しています。(赤身のバラ肉は少し食感が堅めです)
ベーコンを豪快に厚切りにしてキャンプなど屋外で焼けばバーベキューの主役になるでしょう。
知床三座ェ門本舗
地元の「はる畑」で作られたハムやベーコンの販売元。二週間に一度だけの入荷ですが待つ甲斐があるこだわりハムが楽しめます。
はる畑のある知床の斜里山麓で育った三元豚を使い、添加物は塩や黒砂糖、香辛料、香味野菜だけという硬派な作りです。
はる畑の豚たちは雪が降っている日以外は放牧で過ごし、屋外できままに暮らしています。エサは北海道小麦や米ぬか配合の資料、大豆などを与え、バランスの良い安心なものを与えています。
豚の飼育から加工まで、はる畑が一手に引き受けています。大規模な工場だと行程で問題が起こる可能性もゼロではありませんが、小規模な農家が生計を立てて加工しているので安全性は確かでしょう。
こちらのハムやベーコンは保存性も高く、未開封の冷蔵なら4ヶ月は保管できます。保存料無添加なのにこの保存性の高さは目を見張るものがあります。(表示上の賞味期限は約1ヶ月)
発色剤を加えていないので見た目は茶色っぽく地味ですが、これがハムやベーコン本来の色合いです。
100g単位で注文できます。量り売りで注文できるのも融通が利いて良いものです。ベーコンは生ベーコンなので、そのまま食べると甘い脂が楽しめます。(妊娠の可能性がある方は必ず加熱しましょう)
雪の浦手作りハム・ベーコンシリーズ
こちらは長崎県で製造販売される無添加ハムです。無添加ハムの中では比較的お買い得な価格で、ご家庭向けから贈答用まで様々な種類が楽しめます。
日本SPF豚協会にも認定された長崎産の「じげもん豚」を使い、砂糖も粗糖(さとうきびを煮ただけの砂糖で、白砂糖などに加工する前の状態のもの。ミネラルが非常に豊富)やきび砂糖、塩は粗塩を使い、できるだけ自然に近い状態のものを使っています。
味わいは肉のきめが細かく、とろけるように柔らかいのが特徴です。脂も独特のアクがほとんどありません。
無添加ロースハム(2,800円)は370g前後の固まり肉で、ボリューム満点です。ロース肉らしいきめ細かさが楽しめます。
ベーコンは塩が甘めでバラ肉の美味しさをダイレクトに味わえます。脂は多いので薄切りにして野菜と炒めると美味しく頂けます。
ベーコンは普通の無添加ベーコンのほかに胡椒をまぶしたペッパーベーコン、香味野菜をブレンドしたベーコンもあります。刺激がほしい方はペッパーベーコンがおすすめです。
田嶋ハム工房
九州の一部の地域で流通している美味しいハム、ソーセージメーカーです。佐賀県太良町で製造される本格ドイツ式ハムが楽しめます。
社長はまだ若い方ですが平成18年のドイツ食肉加工コンテストで20品目中18品目でメダルを獲得した凄腕の職人です。
太良町は養豚がとても盛んで天皇陛下に献上したこともある良質の豚をたくさん育てています。本場ドイツ式の「温屠体製法」(とさつした直後の体温が残る豚を原料にした製法。体内に酵素がたくさん残っているのでよけいな添加物を加えなくても十分な粘りが出ます)で作られています。
元から無添加にこだわっていたわけではないそうですが、生協に加入している友人がアレルギーのある子供にもハムやソーセージを食べさせたいという話を聞き、無添加で作ることを始めたそうです。無添加ハムは商業として成り立ち、小規模な加工会社にとっての活路になると実感されています。
原料にもこだわり、塩は長崎五島灘産、砂糖は体を冷やさない作用があると言われる北海道のてんさい糖(ちょっと農薬が心配ですが…)、薫製チップも九州産です。
確かな原料と高品質で売り上げを着実に伸ばしている企業です。ハムの風味は肉の旨みが強く、脂は控えめです。子供でも美味しく食べられますが、味の違いが分かる大人にもおすすめです。
通販は冷凍のみですが、簡単な処置で美味しく解凍できます。
山のハム工房ゴーバル
岐阜県の標高600メートルの山頂にあるゴーバルは、ゴーバルで育った石原弦氏が大事に飼っている豚を原料にした無添加ハム工房です。
冬は雪が積もる寒冷地で元気に育つ豚を使うので品質は抜群。念のため月に一度放射線検査も行っています。
若い社員が多く、季節限定メニューは流行のタイ料理風味などチャレンジ精神も旺盛です。
ハムの種類は正当派のもも肉やボンレスハム、強く燻蒸したハム、骨つきハム、生ハムなどがあります。どれも価格は控えめで一番高価な布巻きハムでも2000円ほどです。焼き豚、ラードなどの加工品もあります。
国産の生ハムはなかなか流通しないので、生ハム好きな方にプレゼントすると喜ばれるでしょう。
信州ハム ハム・ベーコンシリーズ
スーパーでも比較的見つけやすい信州ハムも無添加ハムやベーコンを販売しています。都市部なら店で入手しやすいでしょう。通販もしています。
スーパーで販売しているのはスライスしたものが大半ですが、通販では固まりのハムも販売しています。
「無えんせきロース 400g」は豚ロース肉を使い、食塩や酵母エキス(微妙ですけど)などで風味付けをしています。カロリーも低く100gあたりわずか118kcal。ダイエットに励む方にもお勧めします。
乳たんぱくや砂糖を使っているのでアレルギーのある方は注意しないといけませんが、価格も税込み2,000円ほどで比較的買いやすい価格帯です。
ほかにも黒豚のロース肉にドイツ産岩塩を使った本格的なロースハムや切り落としハム、ドイツの製法を使いJAS規格に則って熟成させた「熟成ロースハム」など多くの種類があります。
亜硝酸塩だけは避けたいけど、それ以外はあまり気にならない方には特にお勧めのメーカーです。
プロシュート500g
イタリア産の塩だけで味付けした熟成生ハムです。ヨーロッパは養豚が盛んで各国に様々な種類のハムがあります。
イタリアのプロシュートは豚のももを骨ごと塩漬けにして加熱せずにじっくり熟成させたシンプルな食材です。そのまま食べると塩辛いのでベーコン代わりに炒めて調理したり、メロンやサラダなどと合わせて頂くのが一般的。
「生ハムメロン」の生ハムとしても美味しく頂けます。
プロシュートといえば細切れの炒め物にしか使えなさそうな薄切りもよくありますが、ハイ食材室のプロシュットは枝肉から豪快に薄切りにしています。
肉本来の旨み、塩だけで味付けしているのに鮮やかな赤みと真っ白な脂肪、そして程よい塩加減が楽しめます。大人向けの味わいです。
※妊婦さんや妊活中の女性は加熱してからお召し上がり下さい。
おわりに
日本各地には他にも小さなこだわり無添加ハムのお店がたくさんあります。ご当地限定の品もたくさんあるので、ぜひ自然食品店や道の駅、高級スーパー、百貨店などを巡ってみましょう。
オススメ商品がありましたら是非教えてください。
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