コラーゲンは、お肌をプルプルにし、お肌に弾力や艶を与え、若々しい肌に導いてくれるとして、人気の美容成分ですよね。
アンチエイジングの為にとコラーゲンをサプリやドリンクで摂取している人も少なくないと思います。
しかし、健康食品コラーゲンは、本当に効果があるのでしょうか?
コラーゲンとは
コラーゲンは、皮膚、骨、軟骨などに多く存在している重要なたんぱく質の一種です。
とりわけコラーゲンが多いのが皮膚で体内のおよそ40%を占めます。
骨、軟骨でおよそ20%、その他、血管や内臓などコラーゲンは全身に存在しています。
まさに体の基盤を作る重要な働きをしているのがコラーゲンです。
コラーゲンは、以下のアミノ酸がつながった3本のポリペプチド鎖がらせん構造をしているのが特徴です。
- グリシン
- プロリン
- ヒドロシキプロリン
コラーゲンは、およそ30種類の異なるポリペプチド鎖の組み合わせによって、19種類の様々なタイプのコラーゲンが存在しています。
代表的なコラーゲンはI~V型の5種類で、サプリや化粧品に用いられているのがI型のコラーゲンです。
I型コラーゲンは、体内で最も多くのコラーゲンが集まっていて、皮膚、骨、歯、腱などを形成し、弾力を維持する役割があります。
皮膚において、およそ70%という最も多くのコラーゲンが存在しているのが真皮層です。
コラーゲンは、線維芽細胞で作られ、細胞と細胞を結びつけることで、皮膚に弾力を生み出したり、水分を含んだヒアルロン酸を束ねることで、皮膚に潤いを与えています。
その為、しわやたるみが年々、深刻になるのは、加齢によりコラーゲンが減少するからです。
そして、コラーゲンを生成する線維芽細胞の機能も弱まる為、細胞の数が減少することで、
線維芽細胞の衰えが徐々にスタートし、コラーゲンをしっかりと引っ張れなくなります。
これにより、しわやたるみが起こりやすくなるのです。
またコラーゲンは、紫外線による酸化ストレスによっても分解されることで減少します。
そして、加齢に伴う変化と同様、しわやたるみなどの老化が進みやすくなります。
コラーゲンは効かない!?
コラーゲンは、人気の美容成分ですので、市場には多くのサプリやドリンク、ゼリー、粉末などのコラーゲンの健康食品が販売されています。
コラーゲンは加齢や紫外線などで減少してしまう成分ですので、こうした手っ取り早く簡単な健康食品から効率よく摂取したいですよね。
またコラーゲンは、以下のような食材にも多く含まれています。
- フカヒレ
- うなぎの蒲焼
- 牛スジ
- 鶏軟骨
- 豚白モツ
- 鮭(皮)
- 手羽先
- 豚スペアリブ
ですが豚白モツや豚スペアリブなどを食べて、「コラーゲンをいっぱい摂ろう!」と頑張らずとも普通の豚肉にもコラーゲンは十分、入っていますので、日頃からコラーゲンが枯渇しているわけではありません。
しかし、サプリやドリンク等の健康食品や上記のようなコラーゲンを多く含む食材を摂取すれば、それがそのままコラーゲンとなって、美容や健康に作用するというわけではありません。
なぜならタンパク質の一種であるコラーゲンを食べても消化の過程で消化酵素によって、コラーゲンは分解されるからです。
それは私たちの体がアミノ酸やペプチドなどの小さなサイズにまで分解しなければ吸収できない為です。
よって、分子量、およそ30万という超高分子であるコラーゲンそのものを吸収することは出来ないのです。
コラーゲンを構成する3つのアミノ酸のうち、コラーゲン生成、しわ、たるみ、保湿効果などに大きく関与しているのがヒドロキシプロリンです。
ですがコラーゲンを構成する3つのアミノ酸のうち、体内のどこかでコラーゲンになる可能性が高いアミノ酸は、グリシン、プロリンのみで、ヒドロキシプロリンは、利用されることなく、排泄されると言われています。
にも関わらず、サプリの広告やパッケージには、「お肌がプルプル」「コラーゲンたっぷり」
などと魅力的な言葉が並んでいますよね。
あたかも医学的根拠があるかのような効果が堂々と謳われている商品もありますがサプリはあくまでも栄養補助食品であり、何らかの症状を改善する医薬品(薬)ではありません。
その為、サプリは、「〇〇に効く!」とはっきりとした表現は出来ません。
しかし、やんわりとした表現であれば、科学的根拠や医学的根拠がなくても食品に分類されるので、販売することが可能となります。
そもそも「○○の症状に有効」というデータが実証されれば医薬品として承認されているはずですよね。
謳われている効果に騙され、深く考えず、買ってしまうと飲んでも効かない残念なサプリになってしまいますので注意しましょう。
ビタミンC&ジペプチドがカギ!
「コラーゲンは効果がない」とまことしやかに囁かれている理由には、多くの方が求めている「若々しい美肌」に導いてくれるヒドロキシプロリンが利用されないことにありましたがヒドロキシプロリンは実はプロリンから生成されます。
しかし、プロリンが酵素によってヒドロキシ化する際、ビタミンCが必要不可欠となります。
その為、コラーゲンをサプリやドリンク、食べ物などから多量に摂ってもビタミンCが欠乏している人には、さほど効果が得られないのです。
サプリや食べ物のコラーゲンが全てお肌に作用してくれるわけではないからこそ、コラーゲンをサプリや食事から摂る際は、ビタミンCも一緒に摂ることが重要です。
ビタミンCを多く含む食べ物
- キウイ
- イチゴ
- グレープフルーツ
- 柿
- キャベツ
- ブロッコリー
- 赤ピーマン
- 小松菜
- ほうれん草
- モロヘイヤ
また最近の研究で、コラーゲンは、他のタンパク質とは異なり、3割近くのコラーゲンは
P(プロリン)-O(ヒドロキシプロリン)、またはO(ヒドロキシプロリン)-G(グリシン)が結合した形で吸収され、長時間、血液中に留まることが分かっています。
アンチエイジングのカギを握るヒドキシプロリンがどのペアにも含まれていることからコラーゲン効果はより高まることが期待されます。
P(プロリン)-O(ヒドロキシプロリン)、またはO(ヒドロキシプロリン)-G(グリシン)は、複雑に絡まっていたり、どこで結合されているのか分かりにくいので、見つけにくいという特徴があります。
その為、酵素によって、分解されにくいので、この2つのアミノ酸は切り離されることがなく、繋がったままでいることが可能となります。
この2つのアミノ酸がくっついた状態を機能性ペプチド(ジペプチド)と言います。
機能性ペプチド(ジペプチド)は、2個のアミノ酸から構成され、分子量が小さい為、腸壁からダイレクトに吸収されやすいので、コラーゲン特有の「お肌プルプル」をはっきりと実感することが出来ると言われています。
より小さく分解されているジペプチドだからこそ、吸収率はより高くなります。
ですので、コラーゲンサプリを選ぶ際は、ジペプチド化されたコラーゲンを選ぶことをオススメします。
まとめ
- コラーゲンは、消化器官で分解され、皮膚には直接届かない!
- 科学的根拠・医学的根拠がないサプリは、あくまでも栄養補助食品!
- ヒドロキシプロリンがコラーゲン効果を高める!
- ヒドロキシプロリンは、プロリンから生成される!
- ヒドロキシ化するにはビタミンCが必須!
- P-O、またはO-G、2つのアミノ酸が結合したジペプチドは分解されにくい!
以上のことからコラーゲンをサプリやドリンク等の健康食品で摂る場合、ジペプチド化されたコラーゲンサプリがよいのかもしれません。
より速やかに吸収させ、より速やかにコラーゲンならではの効果を実感することが可能となるかもしれませんがサプリなどで摂取することをオススメしているわけではありません。
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