水道民営化で、日本の水道水に迫る危機とは

鉄道事業、郵政事業、電信電話事業などこれまで様々な公務が民営化されてきましたがついに水道事業も民営化されることになりました。
水道事業が民営化すれば日本の水が危なくなると囁かれていますが果たしてそれは本当なのでしょうか?

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財政難&人口減少で、水道民営化!?

2017年3月7日、水道法改正案が閣議決定されたことで、水道事業が民営化されることになった理由には自治体の財政難があると言われています。

総延長、およそ66万キロにもなる全国に張り巡らされた水道管のおかげで、国内の水道普及率は97.8%に達しています。(2014年度)
もはやどこに住んでも綺麗で美味しい水が飲める?ようになっています。(塩素等の問題は別にして)

ところがおよそ40兆円とも言われる水道施設(水道管)の多くは、高度経済成長時代に国が地下に埋めたものですので、総延長の12.1%が法定耐用年数の超え、錆などが発生し、赤い水が出るなど老朽化しているという現実があります。

管路経年化率(法定耐用年数を超えた水道管の割合)は、6%だった2006年度から8年の間で、2倍以上に増えています。

事実、地方自治体が埋設した水道管の破裂事故が相次ぎ、水が地表へ噴出すことで、家庭や事業所への給水がストップし、復旧工事に通行止めになる光景は、今や日本全国で見られるまでになっています。

大阪は全体の4割が老朽管であると言われ、いつ水道管の破裂事故が起こってもおかしくない状況です。

水道事業は設備更新の時期に来ているのですが日本全国に張り巡らされた水道管の距離は実に地球16周に及びます。
その為、全国の更新率は年間0.76%しかありません。このままでは全ての管路を入れ替えるのに130年もかかるのではないかと言われています。

耐震化工事の進捗率も以下のように全く進んでいないのが現状です。(2014年度)

  • 基幹水道管36.0%
  • 浄水施設23.4%
  • 配水池49.7%

老朽管は増え続けているにも関わらず、更新が追いつかないのは、財政難だからです。
公共性の為にこれまで水道料金を安く抑えて来たので、多くの自治体では、今の料金では多額の更新工事費用を賄えないのです。

また人口減少で収入が減り続けていることもあって、市町村が担う水道事業者の半数以上が赤字体質とされています。

自治体の水道事業のシステムでは、これらの問題をクリアにすることは困難な為、やむなく水道料金の値上げに踏み切った自治体も出てきています。
2040年までに水道料金の値上げをしなければ水道事業が破綻する自治体は98%に及ぶとされます。

蛇口をひねれば安くて美味しい水が出る。

そんな当たり前だったことが幻となるかもしれませんね。

安くて綺麗で美味しい水を国民に提供し続けるには、多額の更新工事費用と人口減少時代を迎え、苦しむ自治体では、長期展望は見出せません。

そこで、民営化して、民間企業の経営手法、資本金を利用して、負担を回避するというのが水道民営化の理由です。
行政では法律上、水道サービスは、自治体住民にしか提供できませんが民営化すれば、海外にまで水道サービスを提供することが可能となります。
日本が誇る浄水技術は、世界トップクラスですので、海外に技術を輸出することで、多額の更新工事費用を捻出することが出来ます。

料金値上げで、暴動が起きる!?

政府は水道民営化を目論んでいますが水道民営化になれば一体どうなるのでしょうか?

水道施設については、自治体が所有したまま、運営権を民間企業に売却することで、水道事業の苦境を乗り越えようとしている政府ですが過去に多くの国で、民営化された水道事業は、失敗に終わっています。

ボリビアのコチャバンバ県の場合

  • 元水道事業者・・・SEMAPA(市営上下水道サービス公社)
  • 民営化された年月・・・2000年1月
  • 民間企業・・・トゥナリ水供給会社(ロンドン国際水供給会社)

SEMAPA(市営上下水道サービス公社)は、1967年に設立され、コチャバンバ市域に水道水を提供していましたが人口増加によって、水道の設備が整わない地域が増加し、水道サービスが受けられる人は、人口の57%しか届かず、またボリビア全土の貧困率は62.7%(1999年11月時点)で、高かった為、水道サービスを受けている人の5~10%が水道料金未払いの状況にありました。
水道設備の老朽化による水道管からの漏水などで、水が僅か週に一時間しか出ない地域もあったといいます。
そんな危機的状況で、SEMAPAが多額の負債を抱え、財政難に陥ることは当然のことでした。

1999年、世界銀行は、ボリビア政府に効率的な運用・安い料金・適切なサービスの提供、そして600万ドルの多国間債務を免除するとの甘い言葉で、コチャバンバ市の水道事業を民営化するよう勧めました。

そして、ボリビア政府は、財政難に陥ったコチャバンバ市の水道事業を民間企業、ロンドン国際水供給会社に委ねたのです。
ロンドン国際水供給会社は、「トゥナリ水供給会社 」として水供給事業を請け負いました。

トゥナリ社は米国最大のゼネコン企業であるベクテル社の子会社でした。

ところがトゥナリ社の新しい水道料金は、値上げされ、毎月20ドルの水道料金が請求されることになったのです。

当時のコチャバンバの最低月額給与は100ドル以下でした。
20ドルは、5人家族が2週間食べていける金額です。
当然、この高額な料金を支払えない市民は大勢出てきました。
しかし、トゥナリ社は、支払えなくなった市民には、容赦なく供給をストップさせたのです。
またトゥナリ社によって供給された水は、細菌が入っており、病気になるコチャバンバ市民も増加していきました。

トゥナリ社は、全ての井戸、灌漑施設、雨水の貯水など、これらの設備に対して水道メーカーの設置を要求していました。
このトゥナリ社の契約によって、コチャバンバでの全ての水資源がトゥナリ社に奪われていることに憤慨した井戸掘り業者やコチャバンバの農民たちの呼びかけで、SEMAPA民営化の撤回に向けて「水と生命を守る連合(CDAV)」が結成されました。

そして、水道料金の値下げとトゥナリ社との契約破棄を要求する為、コチャバンバ市民はストライキやデモを起こしました。

この市民が起こした抗議活動は、コチャバンバ水紛争と呼ばれています。

2000年4月10日に民営化が撤回され、SEMAPAがコチャバンバ市の管理下に戻ったことで、事態は収束しましたが政府側が武力弾圧に走ったことで、6人の死者と100人を超える負傷者が出たと国際連合開発計画は発表しています。

こうして、ボリビアの「水道の民営化」は、終わりました。

ボリビアだけではなく、過去に世界中で行われた外資系企業による水道の民営化の多くが
「水道料金の値上がり」「排水管の損傷」などで、事実上、失敗しています。

ウルグアイでは、上下水道事業の民営化は違法であるとして、国民投票によって受け入れられませんでした。

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水質が低下する!?

「蛇口をひねれば安全で綺麗な水が飲める」が当たり前の日本の水道ですが民営化すれば料金の値上げだけではなく、ある日、茶色い水や塩辛い水が出るなど水の汚染による健康への危機までじわりじわりと忍び寄るようになるのではないかと言われています。

国に老朽化した水道管などの設備更新にかかる費用を期待できないのであれば「水道民営化」を進めるしかないとされていますがボリビアなどの事例を見ると民間企業は、水道事業を投資として、成り立たせているので、老朽化した水道管などの整備にかかる費用は、自社の資本ではなく、銀行からの融資という形で賄います。

事実、加盟国の生活水準の向上という目標を掲げ、国連システムの中の姉妹機関である国際通貨基金(IMF)と世界銀行は、全ての開発途上国に対して、国有インフラである電気やガス、そして、水道の売却を条件に融資を認めています。
これらの公有財産は、推定ですが4兆ドルにも上ります。

そこで外資系企業は過剰利潤を得ようとするのです。
それには「独占的構造」を築くのが一番の近道です。
特に水というなくてはならない商品の市場において独占的構造を作れれば大儲けはたやすく実現します。

政治家と癒着した企業(政商)は、「既得権益」を保有することが出来ます。
つまり、独占的、寡占的に巨万の富を稼ぐことが許されるのです。

「この水を飲まなければ死ぬ」と政商から購入するしか選択肢を与えないところまで追い詰めるのです。

コチャバンバで全ての水資源の独占的管理権が民間企業に与えられたように民営化になれば料金値上げ、コスト削減などやりたい放題になります。もう政商側は笑いが止まらなくなるのです。

そして、コスト削減によって、更新すべき施設が更新されないことで、水の品質が低下していきます。

電話会社や宅配会社、鉄道会社などは、自由に選ぶことが出来ます。
対して、電気やガス、水道は選ぶことが出来ません。
電気やガスは、家庭向けでも小売が自由化されましたが送電線やガス管は、従来のものと何ら変わりはありません。
火力、風力、原子力、どれを選択しても電気の質もまた変わりません。

しかし、水道は違います。

水源、浄水場、水道管がどんな感じかで、蛇口から出る水の質が違って来ます。
水道は、その性質上、安い料金体系のところと契約したくても非常に困難と言えます。

水は命と健康に直結しているのです。

外資が提供する効率重視の水処理法(急速ろ過)では、有害物質である酸化アルミが残留する恐れがあります。
アルミニウムを摂取し続けると腎臓機能障害やアルツハイマー型認知症を引き起こす可能性があります。
また民営化に踏み切った多くの国では、企業側の利益優先の為、浄水設備を手抜きにして代わりにフッ素などの薬品でろ過されるといいます。
微量であれば害はないですが多量のフッ素を摂取し続けると多動性障害、記憶障害、知能障害などの神経系の病気を発生させる恐れがあります。

おわりに

このように水道の民営化は外資を引き込んで、一部の政治家が甘い汁を吸うとんでもない売国政策です。

米国最大のゼネコン企業、ベクテルなどの外資系企業がどんどん水道事業に参入しようとしています。
老朽化が進み、水道管から鉛が溶け出している日本は次のターゲットになるかもしれません。

会社の利益が優先されることで、水道料金の値上げ&コストカットによる水質の低下が予測される民営化は、消費者にデメリットしか今のところ、見えません。

よって、民間企業による水道事業は相応しくないと考えられます。

水は私たちにとって、命と健康に関わる大切な生活必需品です。

資本主義という暴走機関車は、私たちの予測より速いスピードで、私たち日本の水を奪おうとしているかもしれません。

資本主義の暴走を止める為には、私たち一人一人が民営化の反対の声をしっかりと上げ続けていくことが大切になるでしょう。

水道の民営化はもうすぐそこです。

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