熱湯を注いで数分待つだけで、食べられ、長期保存にも優れているカップ麺やインスタントラーメンは何かと忙しい現代人に欠かせない食品!とか言っている人もいたりします。
そんな素晴らしいカップ麺ですが健康に良いというイメージはありませんね。
むしろ健康に悪いと言うイメージがあるかと思います。
一体どんなところが体に悪いのかを認識しないまま、「簡単に食事が済ませられるから」「美味しいから」「後片付けが楽だから」等の理由で毎日の食事がカップ麺やインスタントラーメンばかりの食生活になってしまうと健康を害してしまう恐れがあります。
そこで今回はカップ麺やインスタントラーメンが体に及ぼす悪影響について簡単にご紹介します。
悪影響①油
普通の中華麺を茹でた茹で汁とインスタントラーメンの麺を茹でた茹で汁では、時間が経過した後、脂でギトギトになるのは、インスタントラーメンの方です。
これはカップ麺やインスタントラーメンの多くは、油で揚げてある為です。
この油がカップ麺やインスタントラーメンが健康に良くないと言われる理由の一つです。
脂っこい食事の後は、胃もたれや胸焼けなどの胃の不快な症状を訴える人は多くいます。
これらの症状の原因の一つに過酸化脂質があります。
コレステロールや中性脂肪などの脂質が活性酸素によって、酸化されると発生するのが過酸化脂質という有害物質です。
その為、過酸化脂質は、私たちの体内では異物の対象となるので、免疫細胞、マクロファージによって、捕食されることで消滅します。
しかし、大量の過酸化脂質を捕食するとマクロファージは死に至り、捕食した過酸化脂質と共に血管壁に留まることで、活性酸素を産生させ、血管壁を傷つけ、血管を狭くし、動脈硬化を誘発させます。
動脈硬化が進むと心筋梗塞、脳血栓、脳梗塞などの更なる重篤な疾患を引き起こす恐れがあります。
そして、過酸化脂質は更なる恐ろしい病を引き起こします。
それががんです。
過酸化脂質は、スーパーオキシドアニオン(SOA)という活性酸素を発生させます。
スーパーオキシドアニオン(SOA)は、高い活性が特徴で、人間や動物の体内で細菌やウイルスの侵入を防ぐ重要な働きがある私たちの健康に欠かせない物質ですが体内で大量に発生すると短時間で、ヒドロキシルラジカルという活性酸素の中で最も酸化力が強い活性酸素に変化します。
ヒドロキシルラジカルは、脂質だけでなく、糖質、タンパク質など殆どの物質に反応し、酸化する為、がんや生活習慣病、慢性疾患、老化などを引き起こします。
また過酸化脂質が金属イオンに触れるとすぐに分解され、カルボニル化合物が生成されます。
カルボニル化合物の中は、マロンジアルデビドという強い変異原性で、DNAを傷つけ、がん細胞に変化させる最も毒性が強い物質も含まれていると言われています。
このように過酸化脂質は、じわじわと極めて危険な物質を細胞膜まで広げ、細胞を侵していくのです。
また脂っこい食事を摂ると腹痛を伴う下痢に見舞われてしまうという人もいます。
カロリーが高い油(脂肪分)を大量に摂取すると油(脂肪分)を消化吸収し切れず、腸を刺激し、蠕動運動を活発にしてしまう為、腹痛を伴う下痢が起こりやすくなるのです。
悪影響②添加物
カップ麺やインスタントラーメンで使われる油はパーム油ですが商品のパッケージには「植物油脂」「植物油」と表示されます。
植物油脂は、パーム油以外にマーガリンまたはショートニングを指します。
日本の食品表示法では一括表示が認められている為、知らず知らずのうちに食べ続けることで、健康を害する恐れがあるのがパーム油です。
なぜなら製油の過程で、多くの添加物が使われているからです。
パーム油はアブラヤシの実の果肉から採れる油で飽和脂肪酸を豊富に含んでいます。
元々は独特の臭い、不味さ、色の悪さから食用には不向きと考えられていましたが精製の技術が向上したことで、上記の問題はなくなった為、食用として広く用いられることとなりました。
ちなみにパーム油は、ポテトチップスやフライドポテト、クッキー、アイスクリーム、チョコレートなどにもよく使われています。
パーム油は、ガソリンに多く含まれる有害な化学物質、ヘキサンという石油系の溶剤でヘに溶かして、高温処理し、脱臭・脱色をするという溶剤抽出法で精製されます。
完全に食用になるようにヘキサン以外に乳酸、活性白土、リン酸、塩酸、硫酸などの添加物も用いて、綺麗な油にします。
またパーム油にはビタミンEが豊富に含まれていますが高温処理させる為、熱によって、ビタミンEが酸化していきます。
その為、酸化防止剤として、BHT(ジブチルヒドロキシトルエン)という添加物が加えられます。
BHT(ジブチルヒドロキシトルエン)は、ウサギなどの動物実験において、僅かでありますが皮膚刺激性、目刺激性が認められています。 発ガン性は認められてはいませんが変異原性は確認されています。
また催奇形性の疑いがあることからほぼ食品に使用することが禁止されましたが油脂や魚介冷凍品、チューインガムなどの一部の食品には、使用が許可されています。
またBHA(ブチルヒヂロキシアニソール)という酸化防止剤が添加されることもあります。
BHAは、名古屋大学の研究によって、発がん性が認められた化学物質です。
しかし、欧米からの圧力によって、パーム油や乾燥魚介類に限り使用が許可されています。
このようにパーム油は、自然界には存在しない人工的で不自然な油です。
そして、当然、毒性があることを忘れてはいけません。
悪影響③塩分
カップ麺やインスタンラーメンには、大変、多くの塩分(精製塩)が含まれており、スープまで飲み干した場合、1日分の塩分摂取量を満たしてしまう程と言われています。
事実、国立研究開発法人の塩分を最も多く摂取している食品ランキングで、1位がカップ麺(1日あたり5.5g)で、2位がインスタントラーメン(1日あたり5.4g)という公表がされています。
カップ麺やインスタントラーメンの栄養成分表には、ナトリウム量が表示されていることがありますがナトリウム=塩分ではなく、ナトリウム(Na)とは、食塩(NaCl)の一部ですので、塩分量を知るには、次の換算式を利用します。
【食塩相当量(g)=ナトリウム量(mg)×2.54÷1000】
これで食塩相当量(塩分量)が把握出来るようになります。
ただナトリウムは食塩以外にもうま味調味料などにも含まれているので、この換算式は、食品に含まれるナトリウムは全て食塩であると考えた場合に使用します。
にがりやカルシウム、カリウム、マグネシウムなど豊富なミネラル成分を含む天然塩であれば、過剰に摂取しない限りは、体にも良いことがあります。
しかし、化学的に合成された塩分(精製塩)を過剰摂取した場合、高血圧症や腎臓疾患、不整脈、心疾患、精子減少、神経障害など様々な病を引き起こす恐れがあると言われています。
カップ麺やインスタントラーメンの塩分は、海水と同じ濃度と言われていますがそれでもゴクゴクと飲めてしまう理由には、調味料(アミノ酸)=グルタミン酸ナトリウム、豚やチキンのエキス類などの添加物のおかげです。
その他、甘味料、香料、発色剤、乳化剤など多くの添加物が加えられています。
これにより、塩分が多すぎて飲めないどころか、全て飲み干したい程に美味しくなります。
調味料(アミノ酸)=グルタミン酸ナトリウムは、昆布や煮干などの天然のたんぱく質から抽出した旨み成分であるグルタミン酸を化学的に生成し、ナトリウムと結合させた食品添加物で、味を格段に美味しくさせる為、別名、うま味調味料と呼ばれ、カップ麺やインスタントラーメンの他、ポテトチップスや加工肉、カレールウ、ドレッシング、タレなどの数多くの加工食品に入れられていますので、避けるのが難しいのが現状です。
精製したグルタミン酸を過剰摂取すると興奮毒性として、脳神経系を傷つけ、アルツハイマー、パーキンソン病、うつ病、不眠症などを誘発すると恐れがあると危惧されています。
また味覚を麻痺させる味覚障害を引き起こすことがありますので、毎日、調味料(アミノ酸)を摂り続ければ、自然の味が美味しいと感じなくなります。
その為、益々、カップ麺やインスタントラーメンのような化学調味料で味付けされた加工食品を好んで食べるようになります。
悪影響④環境ホルモン
カップ麺は熱湯を注いで数分待って食べる食品ですが熱湯を注ぎ数分待っている間に容器の発砲スチロールから発がん性のある内分泌かく乱化学物質(環境ホルモン)、スチレンモノマー(SM)、スチレンダイマー(SD)、スチレントリマー(ST)が溶け出すことが分かっています。
内分泌かく乱化学物質(環境ホルモン)は、本来のホルモンの働きを阻害し、高い確率で生殖器をダイレクトにかく乱することで、生殖能力の低下、成長や発達の遅れ、免疫機能の低下、学習機能の低下などを引き起こします。
またカップ麺の容器にはプラスチック容器もあります。
プラスチック容器の原料はポリカーボネート樹脂やエポキシ樹脂ですがポリカーボネート樹脂やエポキシ樹脂の原料になっているのがビスフェノールAという内分泌かく乱化学物質(環境ホルモン)です。
熱湯により、容器からビスフェノールAが溶け出すとホルモンの分泌異常を起こすことが分かっています。
ホルモンバランスを乱して、がん、心臓病、神経障害、アレルギー、喘息など様々な疾患を引き起こします。
特に脂肪細胞を大きくさせることからカップ麺を食べ過ぎると肥満になるリスクが上昇すると考えられています。
ビスフェノールAは、特に女性ホルモンに強く影響を与える為、女性の場合、週に2度食べるだけで、メタボリック症候群になる危険性はより増すと言われています。
このようにカップ麺を食べると各種の内分泌かく乱化学物質(環境ホルモン)まで一緒に食べてしまうことになりますのでカップ麺を食べる際は、他の安全な容器に移し替えてから熱湯をかけることをオススメします。
カップ麺で有名な日清食品は、2008年にカップ麺の容器を紙容器に変えていますが多くのメーカーでは、コスト面から未だ危険な容器を使用しているのが現状です。
まとめ
- 油が過酸化脂質を発生させる!
- 危険な添加物、BHT、BHAを含んでいる!
- 塩分が多い!
- 味覚を麻痺させる!
- 環境ホルモンが肥満にさせる!
このようにカップ麺やインスタントラーメンは想像以上に体に悪いものということで、健康を害さない為には、食べる回数を減らしていきたいところです。
カップラーメンの弊害はよく聞いてましたが詳しく読んだのは始めてです。
とても参考になりました。
ありがとうございます。